911メモリアルミュージアム
アメリカ同時多発テロから13年が経ち、世界貿易センタービル周辺の再開発も進んでいます。
当時、2棟のタワーがそびえ立っていたエリアは、メモリアルプラザという公園のような場所になっています。
メモリアルポンドは上から見るとこんな感じ © 2014 Silverstein Properties, Inc
ここに立った時は、テロで全てが瓦礫と化した場所が、こんな綺麗に整備されて、新しく生まれ変われるんだな・・・アメリカって本当にすごい国だな!と圧倒されてしまいました。
犠牲者を悼んでライトアップされていました 9月11日撮影
メモリアルプラザには「サバイバルツリー」と呼ばれる木が植えられています。
「サバイバルツリー」よく見るとこの木だけ傷だらけです
同時多発テロのあと、がれきの中から 傷ついた姿で発見され、今では 花を咲かすまでに復活を遂げました。生存と復活のシンボルになっています。
生存と復活のシンボル「サバイバルツリー」
将来的には、このメモリアルプラザを取り囲むように6棟のオフィスビルや新しい駅などができる予定です。
完成予想図 © 2014 Silverstein Properties, Inc
セブン・ワールドトレードセンターが2006年にすでにオープンしており、現在は ワン・ワールドトレードセンターとフォー・ワールドトレードセンターがオープン間近です。マンハッタンの景色も大きく変わっていくことでしょう。
すべて工事が終わるとこんな感じになる予定です © 2014 Silverstein Properties, Inc
ワン・ワールドトレードセンターは全米一の高く、先端まで含めると541mの高さがあります。ワン・ワールドトレードセンターは以前、フリーダムタワーと呼ばれ、テロに屈しないアメリカの象徴でした。現在は、それぞれのタワーを番号で呼ぶように統一され、ワン・ワールドトレードセンターと呼ばれています。
闇夜に突き刺さりそうなワン・ワールドトレードセンター 9月11日撮影
フォー・ワールドトレードセンターは世界的に活躍する日本人の建築家・槙文彦さんが設計しました。
左がフォー・ワールドトレードセンター、手前が911メモリアルミュージアム、右の光は犠牲者を追悼する光のタワー 9月11日撮影
「911メモリアルミュージアム」もメモリアルプラザに建てられています。
911メモリアルミュージアム
館内は、中央にあるファウンデーション・ホールとヒストリカル・エキシビション、メモリアル・エキシビションで構成されています。
ファウンデーション・ホールとヒストリカル・エキシビションには、旅客機の衝突で ちぎれたビルの鉄骨、はしごが歪んだ消防車など、当時の衝撃を物語る様々な展示が行われています。
ちぎれたビルの鉄骨
これは、一機目の旅客機が直撃したノースタワーの93階から96階に使われていた鉄骨です。爆発による熱で溶け、大きく曲がってしまっています。
崩落したビルの下敷きになった消防車
当時、現場に駆けつけた消防車も展示されています。
はしごが歪んだ消防車
ノースタワーの崩落により、車体が潰れ、はしごが歪んでいます。救助に向かった消防隊員も300人以上が命を落としました。
最後の柱
瓦礫の撤去作業の最後に運び出された「最後の柱」には殉職した消防隊員、警察官の写真などが同僚たちによって貼付けられています。
最後の柱にメッセージを書く人も
柱を埋め尽くすように書き込まれた犠牲者の名前やメッセージ。訪れた人は、その一つ一つをタッチスクリーンで見ることができるようになっています。
また、メモリアル・エキシビジョンでは、犠牲者一人一人の人生を通じ、911を理解してもらおうと壁一面に犠牲者全員の顔写真が展示されています。
タッチパネネルを操作すると、犠牲者の詳細な情報や遺族による紹介を聞くことができます。
博物館へ行く際は、事前にウェブサイトからチケットを購入しておけば、並ばずスムーズです。
入場料は、大人24ドル。朝9時半から夕方4時半までの間で日時を選択し、クレジットカードで購入することができます。
館内では、日本語に対応した音声ガイドを6ドルで借りることもできますが、スマートフォンやタブレットをお持ちの場合は、同じ内容を聞くことができる無料のアプリがありますので、事前にインストールしておくことをオススメします。英語が得意な方は、ぜひ英語でどうぞ。ロバート・デニーロが解説してくれます。
大きな鉄骨から小さな遺品まで約1万点が展示されているため、時間はいくらあっても足りませんが、平均見学時間は2時間、私は音声ガイドを聞きながら見てまわるのに3時間かかりました。
ニューヨークを訪れたときに、お時間に余裕がある場合は、ぜひ「911メモリアルミュージアム」を訪れてみてください。
時間があまりない場合は、メモリアルプラザだけを見るだけでも、きっと何か胸に残ると思います。
私も、滝のようなモニュメント「メモリアルポンド」を取り囲むように刻まれた犠牲者の名前を見ると、無念だったろうな、やりたいことがまだまだいっぱいあっただろうな・・・と、いつも胸が痛みます。