人種差別やゲイの地位向上のため戦うジョージ・タケイさんの映画「To Be Takei」
少し前になりますが、ニューヨークで行われた人権映画祭でジョージ・タケイさんのドキュメンタリー映画「To Be Takei」を見てきました。
ジョージ・タケイさんといえば、海外ドラマファンにはおなじみの存在。
お決まりのポーズで!Chris Hatcher / PR Photos
代表作「宇宙大作戦/スタートレック」シリーズのヒカル・スールー役をはじめ、「HEROES/ヒーローズ」ではマシ・オカ演じるヒロ・ナカムラのお父さん役など、さまざまな作品で圧倒的な存在感を放っています。
アメリカでの人気は絶大で、もしニューヨークで「アメリカで一番有名な日本人って誰?」というアンケートをとったら、安倍首相や渡辺謙さんをおさえてナンバーワンになること間違いなし!!!
とはいえ、実はジョージ・タケイさんは、はアメリカ ロサンゼルス生まれの日系アメリカ人2世で、日本国籍ではないので、日本人とは言えませんが…ハリウッドで活躍する最も有名な日系人俳優です。
ドキュメンタリー映画「To Be Takei」は、人種差別に苦しんだジョージ・タケイさんの子供時代の話、2005年にゲイであることをカミングアウトしてからの話を中心としたストーリーです。
パートナーのブラッド・アルトマンさんとDavid Gabber / PR Photos
1860年代から1940年代にかけて25万人以上の日本人がハワイやアメリカ本土に移住しました。
1860年代といえば、まさに南北戦争時代。黒人が奴隷として働かされていた頃です。当時、移民となった日本人の方々が人種差別に苦しんだことは想像に難くありません。
ジョージ・タケイさんは移民となった両親のもとロサンゼルスで生まれ、弟や妹とともに健やかに成長しますが、1941年の真珠湾攻撃をきっかけに起こった日系人排除運動で生活は一変。翌年には、敵国の人間ということで、なんと一家共々、強制収容所に送られてしまいます。
ジョージ・タケイさんの家族は、強制収容所での3年にも及ぶ生活で、仕事や財産などすべてを失いました。
こうした壮絶な子供時代の体験から、日系アメリカ人の地位向上を訴え続け、講演なども多く行っています。
Izumi Hasegawa / PR Photos
映画では、人種の平等を訴え続け、さらに近年は、同性愛者の地位向上のため戦っている姿が描かれています。
このドキュメンタリー映画のすごいところは、ただ硬く事実を伝えるのではなく、ユーモアが溢れ、笑いながら見られるところです。
もちろんジョージ・タケイさんの人柄、そしてパートナーのブラッドさんのするどいツッコミも相まって、すごく面白い映画に仕上がっています。お二人の馴れ初めから、日常の愚痴(ジョージは良い声だけど音痴で困るとか(笑))まで、つい笑ってしまうシーンばかり!
日本で見られるチャンスは少ないかもしれませんが、ぜひ映画「To Be Takei」をご覧ください。すごくオススメです。