同性愛者への平等な理解を求め揺れるアメリカ! 舞台「8」に号泣の日 - 竹村由紀子 Hollywood Style to Tokyo Eyes | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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同性愛者への平等な理解を求め揺れるアメリカ! 舞台「8」に号泣の日

(2012年3月 7日)

海外ドラマ「ホワイトカラー」で日本でも人気急上昇中のマット・ボマーが出演する舞台「8」の動画がフルヴァージョンで公開になりましたが、もうご覧になりましたか?

「8」は、「ミルク」でアカデミー賞脚本賞を受賞したダスティン・ランス・ブラックが手がけた朗読劇。米カリフォルニア州で、2組の同性愛婚カップルが起こした、同性愛婚の是非をめぐる実際の裁判の経緯を描いた物語。

3月11日(現地時間)まで期間限定公開なので、まだ見ていない方はお早めにご覧ください♪

【動画】マット・ボマー、マシュー・モリソン出演の同性愛婚裁判を描いた舞台「8」

画面右の「Skip ahead to the start of the perfprmance」をクリックすると、3月3日にロサンゼルスで一夜限りの講演となった「8」が始まります。

残念ながら日本語の字幕はありませんが、右下の「CC」という字幕ボタンを押すと、英語字幕付きで見ることができます。

マット・ボマーといえば、やっぱりUsagyさん!!
この「8」は、ブロードウェイで昨年9月19日に初めて上演されたのですが(ロサンゼルス公演とはキャストが異なります)、それを速報で伝えたのも、Usagyさんのブログの『ホワイトカラー』マット・ボマーがブロードウェイの特別舞台「8」に出演!という記事でした。

「8」は、2008年にカリフォルニア州で同性愛婚が認められ、多くのカップルが結婚したにもかかわらず、半年後、それに反対する「Proposition 8(提案第8号)」が州民投票により可決され、事態は一転、2009年に同性愛婚禁止の判決が出されたという実話に基づいたもの。

同性愛婚禁止の判決に対し、2組の同性愛婚カップルが州を相手に裁判を起こす法廷ドラマで、ロサンゼルス公演では、女性同士のカップルをジェイミー・リー・カーティスとクリスティーン・ラーチが演じ、男性同士のカップルをマット・ボマーとマシュー・モリソンが演じています。

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ジェイミー・リー・カーティスとクリスティーン・ラーチ Glenn Harris / Andrew Evans / PR Photos

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マット・ボマーとマシュー・モリソン Janet Mayer / Andrew Evans / PR Photos

そのほかにも、裁判官役にブラッド・ピット、同性愛婚支持派の弁護士役にジョージ・クルーニー、反対派の弁護士役にケビン・ベーコン、反同性愛婚活動家役にジェーン・リンチなど豪華すぎるキャストがボランティア出演。

公演の収益は、この裁判で多額の費用を負担したNPO団体「American Foundation for Equal Rights(AFER)」に寄付されたそうで、その額は、なんと200万ドル(約1億6000万円)以上!!。すごい影響力ですよね。

ちなみに、この裁判では、2010年8月に連邦地方裁判所が、「同性愛婚の禁止は合理的根拠がなく、差別を禁止じる合衆国憲法に違反している」などとして、同性愛婚を認める判決を下しており、今年2月7日、連邦高裁も「Proposition 8」は違憲だとして同性愛婚を容認する判断を下しています。

まだカリフォルニア州で同性愛婚が認められたわけではありませんが、大きく前進したことは間違いありません。

「8」に代表されるように、アメリカでは現在、同性愛婚の是非をめぐる議論や同性愛者への平等な理解を求める声が活発になっています。

人気海外ドラマ「glee」や人気コメディ「モダン・ファミリー」でもゲイカップルが主要キャストとして登場。同性愛や人種的マイノリティを肯定するレディー・ガガの「Born This Way」は大ヒットし、性同一性障害のため性転換したチャズ・ボノが国民的人気ダンス番組「アメリカン・ダンシングスター(原題:Dancing With The Stars)」で、お茶の間を賑わせる存在になるなど、その潮流は大きくなる一方。

ブラッド・ピットやシャーリーズ・セロンは「全米で同性愛婚が合法化されたら結婚しようかな」と公言していますし、俳優やニュースキャスターが続々とカミングアウトするようになってきました。

特にニュースキャスターが番組中に突然、ゲイをカミングアウトという記事の「ジャーナリストとしては、自分自身をニュースの題材にはしたくありません。しかし、同じゲイ男性として、悩んでいる子供たちにインスピレーションや勇気を与えることができるのなら、黙って立ち尽くすということはしたくはないのです」というコメントには、ジーンとしてしまいました。

さまざまな人種や宗教の人が存在するアメリカでは、同性愛をめぐる問題は簡単ではないのかもしれませんが、個人的には悩み苦しむ人が減っていけば良いなと思わすにはいられません。

揺れ動くアメリカの今後にこれからも注目です!


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