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衝撃のVゾーン!!-「Watchmen」を見てきました

(2009年3月14日)

テレビで繰り返し繰り返し特集番組が組まれたり、ETなどでも取り上げられたりしていて、気になっていた「Watchmen」が、先週から公開になりました。

Watchmen01.jpg
「ウォッチメン」キャストとザック・スナイダー監督(左端) Pixplanete / PR Photos

予告編を観ただけでかなり印象に残る映像のオンパレードだったし、何よりもご贔屓の俳優さん、ジェフリー・ディーン・モーガン(「スーパーナチュラル」「グレイズ・アナトミー」)が出ているとあっては、見に行かずにはおれません!
 
JeffreyDeanMorgan03.jpg
ジェフリー・ディーン・モーガン Chris Hatcher / PR Photos
 
とはいえ、映像化不可能とまで言われた元コミック(原作アラン・ムーア。「Vフォー・ヴェンデッタ」「スワンプシング」など)の知識は皆無。
果たして、このパラレルワールド的複雑極まりないストーリーが、英語のみで理解できるのか…。


………できませんでした。


いやーーーもう最初のコメディアン襲撃事件のあたりはまた覚醒していたんですが、その後、時代が前後したり時代背景の説明的画面になってくると、遠のく意識。。。

やばい…まじやばい……と朦朧としていた私の意識を現実に引き戻したのは、ドクター・マンハッタンBilly Crudup)の雄姿でした。
青白く光るマッチョな体、隈取も鮮やかな瞳孔のない白い目。
戦車よりも大きくそびえ立ち、人間を睥睨する巨体。
そして、勝利(ヴィクトリー”victory”)の V を思い起こさせるハイレグ赤パンツ

BillyCrudup01.jpg
ビリー・クラダップ Chris Hatcher / PR Photos

監督のザック・スナイダーはあの「300」の時も、赤マントに皮パンで観客(の一部)を釘付けにした前科の持ち主ですが、ここでもまたやってくれました。

ZackSnyder01.jpg
ザック・スナイダーと妻・デボラ・スナイダー 

ビジュアルのインパクトは絶大です。
一瞬にして眠気を消し去った青い巨人ことドクター・マンハッタン、人智を超えた英知を持っているのですが、常識のほうも人智を超越しているようです。
TV出演の際はスーツにネクタイ、ヒーロー活動?のときはハイレグ赤パン。そして、プライベートのときは潔いまでに”ラ族”です。

分裂した複数のドクター・マンハッタンのフル○○姿が大画面を所狭しと闊歩する図は、マジなのか、何か崇高なテーマを象徴しているのか、はたまた単なる冗談なのか理解に苦しむところですが、これはさすがに、ちょっとでも太陽が出ると上半身裸で外をうろつくぐらいハダカには大らかなカナディアン達でさえも耐え切れなかったらしく、映画館のあちこちから、うふっ、というような笑い声が洩れ聞こえて来ていました。


………上記、下世話な感想ですみませんでした。
でも、そんなほのぼのさ(?)とは裏腹な陰惨で暴力的な場面が唐突に出てくるので要注意です。
こちらが赤くなったり青くなったりしているうちにも、ストーリーはどんどん終末へと向かって行き、衝撃の結末を迎えます。原作を読んでいる方にとっては判りきっていることでしょうが、私は何も予備知識がなかったので、『うむーーなるほどそう来たか~!』と唸らされました。
タイトルの「Watchmen」を象徴するかのように、終末時計、時計屋を営んでいたドクター・マンハッタンの父親、彼が変貌する原因となった時計…、といったコネタが登場し、更に「監視」という意味での”Watch”も掛けてあって、へぇぇえと素直に面白かったです。

公開前から話題になっていた通り、セットや映像美も素晴らしく、見ごたえがあります。
大道具、小道具、要所要所に映る画面の構成なども緻密で、ザック・スナイダーの原作に対するリスペクトが随所に感じられ、本当に監督は『ウォッチメン』が大好きで堪らないのがよく判りました。
そんな監督の愛が濃厚に詰まった2時間43分という長大な映画なので、見る前に覚悟が要ります。
頑張りましょう!


CGやセットに予算をつぎ込んだので、俳優陣にはビッグネームは出てこない…という噂を漏れ聞いていましたが、確かに。
とはいえ、テレビでお馴染みの顔をだいぶ見かけました。
前述のジェフリー・ディーン・モーガンをはじめ、マリン・アッカーマン(「幸せになるための27のドレス」「アントラージュ☆おれたちのハリウッド」)、

MalinAkerman01.jpg
マリン・アッカーマン David Gabber / PR Photos

ロブ・ラベル(「ファースト・ウェイブ」「ヤング・スーパーマン」)、マット・フリューワー(「ユーリカ~事件です!カーター保安官」「テイクン」「超人ハルク」)、クリス・ゴーシャー(「ユーリカ~事件です!カーター保安官」「ヤング・スーパーマン」)などなど。

ちなみに、ニューヨーク以外のシーンは、ほとんどバンクーバーもしくはその近郊で撮影されています。(参考→imdb


3月28日の日本公開日まで、あと少しですね。
60年代から80年代の音楽に懐かしさを覚えるという方(レナード・コーエンの「ハレルヤ」が聞けるとは思わなかった!!)、エンタテイメント的コミック・ヒーロー映画には飽き飽きしたという方、特にお薦めです。
ただし、くれぐれも春休み中のお子様を連れて見に行かれないように、ご注意申し上げます。




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