過去日記~海外ドラマライターになるまで~その3
※文中、登場するアルファベットは、Aから順にふっており、イニシャルではありません。
※こちらから、その1から順番に読めます。
【その3】就職活動に突入。
短大2年 ○月×日
「同時通訳入門」という授業をとったが、ついていくのが大変。先生は「マイアミ・バイス」聞き取りの時と同じアメリカ人の先生。彼いわく「通訳なんて、分からなくなったら適当に天気の話とかしてつないでおけばいい」とのことだが、すぐパニックになる気の小さい私に、やっぱり通訳の仕事は厳しそう。戸田奈津子さんは憧れの人リストの一人だけど、通訳のお仕事よりも映画字幕の方に心引かれる。
短大2年 ○月×日
「イギリス文化事情」という授業は、本当に面白い。ビートルズの話とかが多く、勉強という感じがしない。ますますイギリスに行きたくなった。
短大2年 ○月×日
ミニコミ誌の編集は楽しいが、コンサートレポートやディスクレビューは割と難しい。主観が入りまくってしまう。でも、読んだ人に面白いと言われるのは嬉しい。
短大2年 ○月X日
いよいよ就職活動。ちょっとでも音楽に関するものを出版しているところには全部資料請求をする。ほかにも、大手レコード店、楽器店、音楽プロモーター、レコード会社、ラジオ局などなど、洋楽に関われそうなところには片っ端から資料請求。
短大2年 ○月×日
第一志望のD社は11月頃に試験だって。ずいぶん遅いなぁ。
短大2年 ○月X日
特に入りたいところに限って「今年度の募集はありません」の返事。 。
短大2年 ○月X日
今は、短大卒は引く手あまただとか。よりどりみどりってこと!? 本当かしら。。
メーカーのG社から、うちの学校に逆推薦の話あり。学校の成績によるらしい。バイト代から自分で学費を払うことにしたせいか、“もったいない精神”で授業には熱心に出続け、試験も先輩からのノートで真面目に(?)対策したから、成績はよい方だ。母の目が輝く。やっぱり「安定」が一番、が最近の母の口癖。音楽雑誌なんかよりも大手メーカー。11月まで待っていたら就職浪人になるのが関の山だ、不安だ、と母。就職できなかったら、再びロンドン行きをもくろむに違いないと読まれている。8月の逆推薦の面接を受けるようマインドコントロールされる私。G社はレコード会社も持っているし、メーカーの方から異動できる可能性もある、かも。うーむ……。
短大2年 ○月X日
結局、逆推薦に応募する。でも絶対に11月のD社の試験も受けることを心に誓う。
短大2年 ○月X日
G社の面接。5人一組。私は5番目に座らされる。4番まですごく真面目な質問なのに、私だけなんかおちゃらけた質問をされる。気のせいかと思ったら、次の質問も、その次も。こりゃ、笑いのセンス求められてる!? ヨッシャー! と、期待に応えた、つもり。
短大2年 ○月X日
G社内定。母喜ぶ。友達に「でもD社も絶対受ける」と話したら、「もしそっちが受かったらG社にはなんて断るの? 噂ではお茶ぶっかけられるらしいよ」と教えられた。その時は、黙ってお茶ぶっかけに甘んじよう。
短大2年 ○月X日
D社の試験までの間、数社受けてみたが、ことごとく落ちた。やはりマスコミは厳しいと思い知る。
短大2年 ○月X日
いよいよD社! 筆記試験、超楽しい。曲名、アーティスト名、レコード会社を線で結べ、とか、ロックの三大ギタリストは、とか楽勝問題ばっかり! バッチリ受かった。次は面接。
短大2年 ○月X日
1次面接も合格! 2次は、有名な雑誌の編集長のブースをいくつか回る。メタル雑誌の編集長は甚平姿。引っかけ質問をたくさん仕掛けてくるが、引っかからなかったぞ~。ギター雑誌の編集長は大好きなTV番組にも出ているので、私にとっては顔なじみ。想像通りの優しい人! アクセル・ローズは無事日本に入国できるか、とか雑談みたいな質問ばかり。面接は幸せなひとときだった。
短大2年 ○月X日
D社不合格。無念。3次面接に行った人に聞くと結局一人も採用せず、投稿職人をスタッフにしたとか。それなら最初から試験やらないで~(号泣)。
お茶ぶっかけは流れる。
短大2年 ○月X日
G社に入社することに決まり、母ほくそ笑む。心はアウトローなのに、なぜかレールの上を歩んでいる感じ。「安定」。この言葉に魅力を感じない私。うーん、まだ諦めないぞ! こうなったら、系列レコード会社への異動を狙うしかない!
短大2年 ○月X日
卒業旅行は14日間丸々ロンドン! 運転免許取得に貯金を使っちゃったため、銀行で就職内定者のための卒業旅行ローンを申し込む。さすがはG社。あっさり借りられた。
【その4】につづく。