第25回GEMINI賞fromカナダ~最優秀ドラマ賞は『The Tudors』、主演男優賞はロバート・カーライルに!
カナダ発の人気TV番組に贈られるGEMINI賞の授賞式が、現地時間11月13日、トロントにて開かれました。
司会は、『GLEE』のフィン・ハドソン役でブレイクしたカナダのライジング・スター、コーリー・モンテース。
コーリー・モンテース Chris Hatcher / PR Photos
実は、バンクーバーとトロントは時差が3時間あるので(トロントのほうが3時間早い)、バンクーバー時間午後8時からの授賞式放送時には、既に賞の行方はわかってしまってました。その分、結果にドキドキせず授賞式を”お祭り”として楽しむことはできましたが(^^;
オープニングは、太鼓隊の登場で賑やかに始まりました。
大太鼓、中太鼓、小太鼓…とにかくドラマー男子大集合、そして、画面に何度も大写しになる『YAMAHA』のロゴ。ドラムはYAMAHAの提供なんですね…。YAMAHA、YAMAHA……YAMAHAスゴイ。
そして予想通り、コーリー君がドラムテクニックを披露してくれました!
さすが堂に入ってます。…歌ってるときよりリラックスしてるかも(笑)。
初の大舞台での司会ぶりは、見ているこっちのほうが逆に緊張してしまいましたが、堂々とこなしてました。心配は無用でしたね。
さて、賞の行方ですが、注目の最優秀ドラマ賞は『The Tudors~背徳の王冠』が獲得しました。
最優秀監督賞は『フラッシュポイント』のDavid Frazee(エピソードタイトル:One Wrong Move)、最優秀主演男優賞は『Stargate Universe(SG・U)』のロバート・カーライルが受賞しました。
ロバート・カーライル Alan Hess / PR Photos
最優秀リアリティTV賞は、私の祈りが通じたか『The Cupcake Girls』が受賞しました。
詳細はこちらにてご覧いただけます→GEMINI賞
やはり長年のスターゲイトファンとしては、ここでひと言語らずにはいられないので語ります(笑)。
『SG・U』は群像劇ですが、主要キャラクターはルイス・フェレイラ演じるヤング大佐とロバート・カーライル演じるドクター・ラッシュの二人です。この二人がまさに”激突”する演技合戦は、ドラマの大きな見所の一つと言って良いかと思います。今回ロバート・カーライルが受賞した”Best Performance by an Actor in a Continuing Leading Dramatic Role”は便宜上”最優秀主演男優賞”と紹介していますが、賞の趣旨から行くと『シリーズドラマの主要キャラクターで最も素晴らしい演技をした男優賞』という表現になりますかね。
ロバート・カーライルが受賞したのは『SG・U』のエピソードタイトル”Human”での演技に対してです。同じ番組からノミネートされたルイス・フェレイラは”Justice”というエピソードでの演技が評価されてのノミネートでした。
受賞者の皆さんは、もちろん、それぞれ受賞したことに喜んだり驚いたりしていたわけですが、おそらく今回一番驚いていたのはロバート・カーライルだったんじゃないかなと思いました。というのも、GEMINI賞は『カナダ人によるカナダ人のためのカナダ産TV番組』に大きく貢献した人を『カナダ人が選ぶ』という趣旨の賞です。
ロバート・カーライルはイギリス人俳優なので、そんな中にあって”異邦人”的な感覚を多かれ少なかれ持っていたんでは…と想像します。壇上に上がって最初のひと言が『WOW…!』で、しばし絶句してたし(笑)かなり意外だったんじゃないでしょうか。
受賞スピーチでもちょろっと”stranger的な感覚を持ってたんだけど…”と洩らしてましたしね。
でも、バンクーバー・プロダクションクルーやスタッフ、共演者の素晴らしい仕事ぶりを讃え、更にルイス・フェレイラなくしては、この受賞は有り得なかった…と感謝の言葉を述べるロバート・カーライルに、客席から大声援を送って一緒に喜びを分かち合っていた『SG・U』ご一行様の姿を見たら、もう立派にスターゲイト・ファミリーの一員になってるね~!と感じました。
今回のGEMINI賞は第25回とあって、”この25年間で一番好きなTV番組は何?”という企画も行われていたのですが、第7位に『騎馬警官』が入ってました(これを紹介してたのが『ルーキーブルー』の面々だったのが、何だか嬉しかったです)。第4位が『赤毛のアン(Anne of Green Gables)』、3位は『Mr.Dressup』という子供向け人形劇、第2位が『フラッシュポイント』、そして第1位は『Degrassi』という結果でした。
『赤毛のアン』は日本で見た覚えがあるんですが、こちらでTVシリーズで作られた作品が日本では劇場公開だったんですね。やはり日本でのアン人気は根強い! 日本でも放送されている『フラッシュポイント』はカナダ発でアメリカのネットワーク局で放送され高視聴率を獲得したドラマで『騎馬警官』以来の快挙とも言われています。
第1位の『Degrassi』はトロントの高校”Degrassi High school”を舞台にした学園ドラマで『The Kids of Degrassi Street』に始まって『Degrassi Junior High』『Degrassi High』『Degrassi:The Next Generation』と続き、なんと30年に渡って放送されています。>内容はともかく、日本で言うと『中学生日記』みたいな感じ?
『Degrassi』シリーズでは、高校生が直面する様々な問題~家庭問題、SEXや恋愛はもちろんのこと、麻薬、レイプ、妊娠、人種差別、虐待、いじめ、同性愛、自殺……等々~をリアルに取り上げたドラマで、カナダのティーンの間で絶大な人気を誇っています。
番組のキャストに宛てた視聴者の若者たちからの手紙を朗読するコーナーでも、『14歳のときにレイプされて誰にも相談できなかったけれど、番組を見て話す勇気が出た』とか『自分はゲイだということを誰にも言えなくて悩んでいたけど、Marco(劇中に登場するgay teenのキャラクター)の姿を見て勇気づけられ、親友に話すことができた』といった内容が披露され、番組の影響力の大きさが伺えます。
登場する高校生を演じるのは、世間に知られていない無名の役者たちですが(番組にリアリティを持たせるため)、この番組をきっかけに第一線に出てくる俳優もいます。今、最も旬の出世頭は、『Vampire Diaries』の主演で人気の高いニーナ・ドブレフでしょうか。彼女は『Degrassi:The Next Generation』に”13歳で出産し2歳の娘がいる15歳の高校生Mia役”で出ていました。
ニーナ・ドブレフ Amanda Meredith / PR Photos
司会のコーリー・モンテースも、もちろん『Degirassi』を見て育った世代。
『Degrassi Highは本当に色々な問題を抱えている。一つの高校としては抱え過ぎっていうぐらい!もしかしてこの学校は呪われてるのかもしれない…Degirassiに必要なのは教師じゃなくてエクソシスト(悪魔祓い)かもね!』
と、GEMINI賞のスピーチで誉めて(?)いました。
確かにね……このあいだ見たハロウィンエピソードでは、Degrassi Highがゾンビに襲われて学生全員ゾンビ化してましたから!(笑)
やはり取り上げる内容が内容だけに、日本ではまだ放送は難しいかもしれませんが、あまり知られていないカナダの学園ドラマという点からも、いつか日本でも紹介されたらいいなと思います。
以上、GEMINI賞授賞式ダイジェスト・レポートでした。
カナダのテレビ事情、こんな感じですが、雰囲気をお伝えすることはできたでしょうか? エミー賞ほどのお祭り&盛り上がりぶりはないですが、なんとなくホンワカとした温かみが感じられる授賞式でした。
コメント(2)|TVいろいろ, おしゃべりfromVan
コメント
しみずさん、情報ありがとうございます。
そうそう、シェネイ・グライムズ、忘れちゃなりませんね。なんでも『スクリーム4』にも出演するらしいとか…。
新『90210』、日本でも盛り上がってますか?
GEMINI賞授賞式、米Emmy賞とも英BAFTA賞とも違って、大らかな雰囲気がそこはかとなく…(笑)それがカナダらしさなのかもしれません。
投稿者:usagy |2010年11月16日 03:56
GEMINI賞授賞式レポート、楽しませていただきました♪ ありがとうございます!
>『Degrassi』シリーズに出演しているのは、
今、日本で有名なのは「新ビバリーヒルズ青春白書」のアニー役、シェネイ・グライムスでしょうか(^^)
http://www.imdb.com/media/rm2244055808/tt0288937
このジャケット写真の時は、メインキャラっぽいですね!
投稿者:しみず |2010年11月15日 17:38