未来と過去の狭間:期待の新作とTCA賞投票 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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未来と過去の狭間:期待の新作とTCA賞投票

(2012年6月14日)

毎年、5月中旬に地上波局がスポンサーに向こう1年の新番組と継続番組のラインアップを発表するイベントがあります。ニューヨークで開催されるので、招待されても必ずしも参加できませんが、大都市の地方局は地元のお得意先や厳選したメディアを招待して、衛星放送の生中継をお披露目するしきたりになっています。

今年は、5月14日にNBC、16日にCBSからお招きをいただき、大型スクリーンで2012〜13年の編成方針と新番組のトレーラーを拝見する機会に恵まれました。ABCはここ4〜5年、何でもかんでも「デジタル配信」に固執しており、オンラインでプレゼンを視聴するよう指示されましたが、我が家のコンピュータもブロードバンドにもそんな力は備わっておらず、時々動く画像を横目に音声だけと味気ない視聴になりました。

今年は、コメディーに力が入りすぎて、ドラマは完全に無視されていてがっかり!「グッド・ワイフ」が登場した2009年の「わくわく、どきどき」感や目新しさがなく、ドラマ不作はまだまだ続くのかと意気消沈してしまいました。もっとも数年前までは、コメディー不作と言われていたので、これも周期だと諦めています。

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作品名:グッド・ワイフ 彼女の評決 シーズン1 DVD-BOX part1
DVD発売元:パラマウント ジャパン 価格:9,300円(税込) 発売日:2011年11月11日発売(発売中) TM & © 2011 CBS Studios Inc. THE GOOD WIFE and all related markes and logos are marks of CBS Studios Inc. CBS and related marks are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All rights reserved. TM, ® & © by Paramount Pictures. All Rights Reserved.

そして、今年は早々とCBSとABCから新番組のパイロットが届きました。これは7月末に開催されるTCA(テレビ評論家協会)プレスツアーと呼ばれる、新番組内覧会に参加するための下準備です。制作陣やキャストが集まって行われるパネルディスカッションに備えて、新作のパイロットを観ておくのがTCA会員の仕事なのです。と言う訳で、早速視聴しましたが....

「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる?」的、目も当てられないコメディーにうんざり。これだけ労力を注いでいる割に、秋に放送が予定されているコメディー9本のうち、笑えるのはCBS「Partners」とABC「Malibu Country」のみ。いずれも、主演俳優の演技力に依存度が高い作品ですが、「Partners」はマイケル・ユーリー(「アグリー・ベティー」)、「Malibu Country」はカントリー歌手リーバ・マッキンタイヤーのシリーズ復帰を歓迎しているのは私だけではない筈です。

【動画】「Partners」予告編

【動画】「Malibu Country」予告編


ドラマは12本ですが、ちょっと毛色の違う新作は3本しかありません。「Lost」に次ぎ「デスパレートな妻たち」が画面から姿を消したABCの努力は明白です。「ザ・ユニット 米軍極秘部隊」の原子力潜水艦版とも言える「Last Resort」はスコット・スピードマン(「フェリシティーの青春」)の久々のシリーズ主演が嬉しいし、軍隊モノが最近なかったからか新鮮感があります。

【動画】「Last Resort」予告編


旬を過ぎたカントリー歌手の葛藤を描く「Nashville」も楽しみです。コニー・ブリットンの演技力は、米国では「Friday Night Lights」で実証済みなので、おおいに期待が寄せられます。

【動画】「Nashville」予告編


3本目はNBCの「Chicago Fire」ですが、これだけはパイロットをまだ観ていません。消防士や救急救命士を描いた「サード・ウォッチ」や、最近では「レスキュー・ミー」がありますから、今更?と思われる可能性もありますが、そこは主演にテイラー・キニー(「ファッション・ハウス」)とライバルにジェシー・スペンサー(「Dr.ハウス」)の共演は、私としては「必見」ドラマに値します。このわくわく、どきどきがパイロット以降も維持できるか?が鍵だとは思いますが...

【動画】「Chicago Fire」


今秋の期待できる作品を考えていたところ、2011〜12年シーズンの中からTCA賞に投票するようにメールが入りました。TCA会員はカナダ、米国の各地に散在する200人余りのテレビ評論家。勿論、オンライン投票なのですが、1ヵ月ほど前に各会員から寄せられた候補俳優、作品の総計トップ5位の中から、1名/作を選ぶのですが....今年はつくづく、「私ってメジャーじゃないんだ!」と実感した次第です。

エミー賞の候補が毎年変わらないと一般視聴者やメディアから不平不満が必ず出ますが、TCAが候補にあげたのも似たり寄ったり。個人功績賞も作品賞も、「えー、またですか?」とため息。もっと新しい人材や作品に目を向けましょうよ!と言いたくなります。

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2011年、「Friday Night Lights」がTCA作品賞を受賞した。喜びを分ち合うコニー・ブリットンとカイル・チャンドラー。 Photo: Frederick M. Brown/Getty

ちなみにドラマ部門作品賞に挙がったのは、全てケーブル局のブティック作品ばかり。「マッドメン」「ブレイキング・バッド」「Game of Thrones」「Homeland」「Justified」の中から、最優秀作を選べと言われてもねー。昨晩、頭をひねりながら、投票はしましたが、何か納得できない私です。


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コメント

おおー!TCAの内幕面白い!w
EMMYもTCAもノミネート作がマンネリなのが納得。
White Collar(Matt Bomer)やSuitsのファンの私としてはもっとケーブル局の作品も候補に入れて欲しいですね。

投稿者:sao |2012年7月 2日 21:19

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