「12モンキーズ」ヒロインがアマンダ・シュルだから目が離せない
日本でも、3月6日からHuluが配信を開始した「12モンキーズ」は、テレビシリーズです。テリー・ギリアム監督、ブルース・ウィリスとマデリーン・ストー主演の映画が公開されたのは今から20年前!テレビ化の企画は、映画公開直後からあったと言いますから、ギリアム監督カルトの存在は明らかです。熱狂的なファンだと明言するテリー・マタラスとトラヴィス・フィケットが、SyFy局が開催したパネルインタビューで、20年に渡る「12モンキーズ」テレビ化企画の紆余曲折を語りました。
米SyFy局では、本年1月から放送開始された「12モンキーズ」。日本ではHuluで3月6日から配信されている。 (C)2015 NBCUniversal All Rights Reserved.
但し、開口一番「映画のリメイクに非ず」と牽制し、「キャラもルールも、何もかも完全に造り替えた」と発表したのは脚本を担当するマタラスです。元々、マタラスとフィケットが書いた第二次世界大戦を回避するためにタイムトラベラーが世界を股にかけて奔走するSFスリラーが、映画プロデューサーの一人リチャード・サックルの目に止まり、2人が書いたユニークな要素をそのまま残して「12モンキーズ」をテレビ化したいと持ちかけました。SyFy局がテレビ化を発表してから、今年1月16日のプレミアまで、何と1年半の月日が流れました。
人類が滅亡の危機に瀕する2043年から、壊滅を迎えた原因を根絶しようと2012年にタイムスリップしたコール(アーロン・スタンフォード。映画では、ウィリスが演じた役)と、事の始まりと推測される過去を生きたウィルス病学者ライリー博士(アマンダ・シュル。映画では、ストー)が、12モンキーズと呼ばれる謎の組織を探る、タイムトラベル、SFスリラーです。ブラッド・ピットが演じたゴインズ役は、本シリーズでは女優エミリー・ハンプシャーが演じています。
【動画】 「12モンキーズ」予告編
ご存知のように、私はSFモノが大の苦手。食わず嫌いでは、評論家の仕事が務まらないので、SyFy局から送られてきた「12モンキーズ」のパイロットを、昨夏、恐る恐る観ました。映画を観ていない私は内容も知らず、ロゴの猿が不気味なことも相まって、暗くて怖~い、血みどろSFモノを想像していたのですが...のっけから大好きな役者シュルが登場し、暗がりに一輪の白いバラのように画面がパッと明るくなり、どんどん引き込まれて行きました。
今年1月のプレスツアーで、女優になった経緯を尋ねました。元々、24年掛けてバレエを極めたシュルですが、「違う世界に挑戦してみたい!と選んだのが役者の道だったの」と、26歳当時の一大転機を語ります。サンフランシスコ・バレエ団に別れを告げて、ペット犬を連れて越した先がLAの超狭いアパートだったとか。「勿論、演劇学校に通ったわ!それほど、ナイーブじゃないもの」と、笑います。ほんの2年で、テレビのCFや「コールド・ケース」「ワン・ツリー・ヒル」「プリティー・リトル・ライヤーズ」などにゲスト出演できるようになったのは、主役ダンサーを務められるほどの苦行を積んだ、目標に向かってまっしぐら!経験が功を奏したからに違いありません。
元婚約者から狂人扱いされても信念を貫き通す、行動派の才色兼備ライリー博士を演じるシュル。バレエで鍛えた身心だけでなく、純粋培養環境を飛び出す勇気と冒険心をライリー博士で体現する。 WENN.com
「スーツ」のカトリーナ・ベネット役が、最も私の印象に残っていますが、バレエの道を極めた根性が役作りに生かされていたように思います。金髪の才色兼備が登場するとシーンが一際明るくなるのは当然ですが、シュルの演技には芯の強さを感じます。
同局が3年前に放送を開始した「Continuum」を観た時も、2077年から誤って2012年にタイムスリップしてしまい、未来に戻りたくても戻れないキラ・キャメロン刑事(レイチェル・ニコルズ)にすっかり惚れ込んでしまいました。主人公キャラに魅力があれば、苦手なジャンルものでも「観たい!」と思うもの!と言うお話でした。
コール(アーロン・スタンフォード)とライリー博士(シュル)が人類の危機を予防しようと奔走するSFアドベンチャー・スリラー。シーズン1のフィナーレ回放送(4月10日)を前に、3月12日SyFy局がシーズン2継続を発表した。 (C)2015 NBCUniversal All Rights Reserved.
■ 放送情報
「12モンキーズ」テレビシリーズ
Huluにて 3月6日(金)より第一話配信スタート
以降、毎週金曜日 1話ずつ配信予定
//hulu-japan.jp/12monkeys/
©2015 NBCUniversal All Rights Reserved.