2015年TCAプレスツアー総決算ー戦国時代のテレビ業界 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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2015年TCAプレスツアー総決算ー戦国時代のテレビ業界

(2015年8月31日)

2015年度夏のTCAプレスツアーは、7月28日から8月13日まで17日間に渡り、(まだまだ)改築が進行中のビバリーヒルトンで開催されました。


【スケジュール】

7月28日 Netflix
7月29日 ケーブル局(ニールセン社の視聴率記録最新技術、ナショジオ、Viacom、WGN America、Hallmark 主催のパーティー)
7月30日 ケーブル局(ディスカバリー、UP、El Rey Network、HBO、ディスカバリー局のプールサイド・パーティー)
7月31日 ケーブル局(BBC America、STARZ、AMC、Fuse局のカクテル・パーティー)
8月01日 PBS
8月02日 PBS
8月03日 Amazon、午後「Last Man Standing」他、スタジオ見学
8月04日 ABC
8月05日 午後1時までABC、午後3時からCrackle、米脚本家組合(WGA)のパネルディスカッション
8月06日 Fox
8月07日 FX
8月08日 ワーナースタジオへご招待、午後7時からTCA賞授賞式
8月09日 Acorn、DirecTV、Reelz、Hulu
8月10日 CBS
8月11日 The CW/Showtime
8月12日 NBCU傘下のケーブル局(USA、SyFy、Sprout、CNBC)
8月13日 NBC


7月28日、ネット配信の大御所Netflix社テッド・サランドス社長によるオリジナル作品への取り組み方で始まった2015年夏のTCAプレスツアーは、8月13日NBCの「Heroes Reborn」の制作発表のパネルインタビューで幕を閉じました。17日間に、総計146回の記者会見が実施されました。

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オリジナル作品を配信するようになってまだ2年余りと言うのに、今一番鼻息が荒いNetflix社のサランドス社長。9月初旬に予定されている日本への乗り込みもプレゼンの注目点の一つとして提示された。 WENN.com

長かったようで、短かった、2015年夏のプレスツアーですが、ワクワク度の高い2014~15年の新番組はほんの数本と、お粗末な限り。黄金時代と言われる割には、新作に魅力がありません。

パネルインタビューでの言及頻度26回と最高記録を出したのは、他でもない’時の人’ドナルド・トランプ共和党次期大統領候補でした。又、最近漸く過去の犯罪を認めざるを得ない状況に追いやられつつあるビル・コスビーについて触れる場面も多々ありましたが、まだまだひそひそ声で、「余り公にはできませんが….」感たっぷりの発言でした。評論家仲間の間では、「コスビーの歳を考えれば、裁判を引き伸ばせば済むこと!」が代表的な反応でした。ここでも反社会的’悪事’を働いても、権力や金力で揉み消せば、罪の償いをせずに済むアンチヒーローの横行は、テレビ番組と同様まだまだ続くようです。あの世に行けば許されるなんて、安易過ぎませんか?

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’時の人’トランプ(=自称ザ・ドナルド・左)は、独断と偏見に満ちた発言で世間を騒がせている。敵陣の最有力候補であるヒラリー・クリントンをまともな人間に見せるために、共謀しているのではないか?と思ってしまう。コスビーは、火のないところに煙は立たぬ論を、日に日に実証。昔から、人相が悪いと思っていたが、最近とみに悪相になってきた。 WENN.com

プレミア・ケーブルは当然ながら、ベーシック・ケーブルやオリジナル作品市場に最近参入したネット配信会社(Netflix、Amazon、Hulu)で制作に関与している人達は、相変わらずビジョン貫通の’自由’を謳歌、17日間に何と34回も’創作の自由’が指摘されました。これに対して、地上波局のお偉方が寄越す注意書き=意見は最近では前向きなものが多く、制作上大いに参考になったと37回指摘があり、地上波局もそろそろ恐竜のままでは生存の危機に瀕していると悟りつつあるのか、プロデューサーに台詞を吹き込んでいるのか?

毎ツアー、必ず出る決まり文句が、相も変わらず飛び出しました。時間繋ぎの常套手段なので、聞き流してはいますが…

1)脚本に惹かれて登板 今回は44回指摘
2)ロケ地もキャストの一部 今回は27回指摘
3)キャストは家族同然 今回は22回指摘

テレビ業界が今、「正に黄金時代」との指摘は23回に及びましたが、一方では「従来のニールセン社による視聴率は番組の全体像を捉えていない」と地上波局/ケーブル局のお偉方は、25回も反論しました。確かに、7月29日に、ニールセン社が提示した視聴率記録最新技術のプレゼン+質疑応答は、時代の流れに必死になって追いつこうとしている焦りを感じるのみで、解決策は無いの?と疑問が残りました。技術にテコ入れしている間に、ネット配信会社は着々と個人の嗜好分析を進め、スポンサーが喉から手が出るほど欲しがっている情報を蓄積しているのです。

そんな中、「我が局が一番!」と手前味噌を並べたお偉方は13人。ネット配信会社のように、従来の視聴率ではなく、加入者数を誇る視聴率無視型あり、14歳~25歳の青少年視聴者のみに絞り込み型あり、ドラマ/コメディー/リアリティー等ジャンル別分類型あり、エミー賞ノミネーション数自画自賛型あり、各局が切り口を変えて自局/自社の優位を自慢しました。唯一、テレビ業界の現実を包み隠さずありのままに分析/提示したFX局のジョン・ランドグラフCEOに何らかの賞を贈りたいと思うのは、私だけではありません。テレビ王として業界を見守り、混沌を乗り切る指導的立場に立って欲しいものです。

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FX局CEOランドグラフは、元プロデューサーだけあって、自局の限界をしっかりと把握した上で、オリジナル作品に情熱を注ぎ込む「キュレーター役」と言う。大事に育て上げている自局作の「真の視聴数は60日後にしか出ない」と指摘、テレビ業界の今後2年を語った。 WENN.com

次回からは、印象深かった今プレスツアーのハイライトをご報告します。


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