待望の「Veep」根回しイベントに参加
去る6月10日、2015年根回しイベント「Veep」に参加しました。6月14日から数日、出張していたため、15日に開催された「Younger」LAイベントには参加できず、今年の参加は「Veep」が最後となりました。
向かいの撮影所では、「キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き」や「スキャンダル 託された秘密」が撮影されている。 ©Meg Mimura
パラマウント撮影所で開催されたこの日のイベントには、下記の出演者9人が参加しました。
ジュリア・ルイス=ドレイファス(セリーナ・マイヤー役/エクゼクティブ・プロデューサー)
トニー・ヘイル(’牛目’ゲイリー)
アナ・チョムスキー(エイミー)
リード・スコット(ダン)
ティモシー・C・サイモンズ(’でくの坊’ジョナ)
マット・ウォルシュ(マイク)
ケヴィン・ダン(ベン)
ゲイリー・コール(ケント)
スーフィー・ブラッドショー(スー)
2013年7月10日の「エミー賞根回しイベント『Veep』の実力見たり!」で本作の手作り感の舞台裏をご報告しましたが、2年振りのイベント開催です。この日はシーズン4の最終回放送に先駆けて試写した後、パネルインタビューが実施されました。当然のことながらシーズン4のオチ=セリーナが大統領に当選するか否かは、ツイートしないように警告がありました。
パネルインタビューに参加した(左から)ウォルシュ、ドレイファス、モデレーターのアラン・セピンウォール、ヘイル。 ©Meg Mimura
私は、実はシーズン4の第一話しか観ておらず、いきなり大統領選の結果にタイムスリップしてしまい、少々戸惑いました。いずれHBO無料視聴日に一気観する予定です。これだけ手の込んだコメディは、何度観ても飽きないので、ゆっくり待つつもりです。そう言えば、ヒュー・ローリー(「HOUSE」)がゲスト出演すると聞いていましたが、セリーナの立候補コンビ=副大統領候補役(5~10話)だったんです!そして、シーズン4のオチは、ローリー扮するトム・ジェームズ上院議員/副大統領候補が鍵です。
コメディもドラマも完璧にやってのけるローリー。今回は、セリーナの人気をはるかに上回ってしまう、トム・ジェームズ上院議員/副大統領候補役だ。ジョー・バイデン副大統領のように、一言多くて、危なっかしいキャラだ。 WENN.com
左からスコット、チョムスキー、ウォルシュ。シーズン4で、セリーナの選挙運動に残ったのは、ウォルシュが演じる報道官マイクのみ。ダン(スコット)はスケープゴートにされ、ヒステリーを起こして辞任したエイミー(チョムスキー)を、ロビイスト団体に引き抜く。「同じ穴のムジナなので、どこで働いていても以心伝心だった」と声を揃える。 ©Meg Mimura
13年の根回しイベントでは、HBOならではの、念入りな制作過程が披露され、本作の実力見たり!とご報告しましたが、あれ以上の新鮮な情報は期待できない?と思って参加しました。制作過程は全く変わっておらず、ローリーのみが余裕たっぷりの過程を初体験したわけです。「最初はちょっと戸惑ってたけど、そこはプロ。共演者に迷惑をかけないようにって、気を使うところがイギリス人だわ!!」と、ドレイファスが披露しました。
左から、サイモンズ、コール、ブラッドショー。サイモンズ演じる’でくの坊’ジョナは、大統領と副大統領の執務室を行ったり来たりで、誰の側近なのか全く不明。コールが演じる上級戦略家ケントは、辞任した大統領付きだったものの、セリーナの側近に組み込まれた。ブラッドショー演じる秘書スーは、政界が大嫌いと言いつつ、最も有能且つ常識ある秘書。 ©Meg Mimura
シーズン3で、大統領が私的理由で退任し、棚ぼたでマイヤーが昇進しました。閑職から一気に世界の指導者にのし上がったものの、(現実にはあり得ないことですが)副大統領執務室の側近をそっくりそのまま従えてホワイトハウスに乗り込みます。シーズン4は、任期が終了する以前から、再選キャンペーンを始め、最終話で選挙運動の結果に至ります。
恥の上塗りを繰り返していたセリーナが、大統領に就任したからと言って急に賢明になる訳ではなく、「今シーズンは、’威厳ある’恥の上塗りを繰り返しただけ....かな?」とドレイファスは笑います。13年のイベントで、離れ小島できりきり舞いするような副大統領をドレイファスが「ホラー」と指摘したことを思えば、’何をやってんだか?’セリーナが、世界の指導者なんて、「ホラー」どころの騒ぎではありません。
パネル後、参加者のリクエストに快く応じるドレイファス。今年もエミー賞コメディ部門の主演女優賞を手にしそうな勢いを感じた。 ©Meg Mimura
又、ドレイファスが「セリーナの特技は、勘違いを何の疑いもなく信じ切れることでしょ?」とキャラを評価すると、カバン持ちの’牛目’ゲイリー役でエミー賞助演賞を獲得したヘイルは、「セリーナ女王を崇拝するのがゲイリーの特技」とコメントして笑いを取りました。カバン持ちの名にふさわしく、目を閉じていても、必要なものをカバンから’即’取り出せると自慢。カバンの見取り図が頭の中にしっかりと入っているので、側近仲間から新しいカバンをもらってありがた迷惑!と戸惑う下りがあったことをヘイルが指摘しました。ありました!ありました!!
ハンサムなスコットは、いつ見ても女性ファンに囲まれている。 ©Meg Mimura
会場の外では、選挙運動ポスターがデカデカと展示され、本格的アメリカ料理(ミートローフ、チキン&ワッフル、チーズバーガー)が振舞われました。
パネル後のレセプション会場の壁に映し出された番組のロゴ。 ©Meg Mimura
最近、「Veep」シーズン1は好調ではなかったと聞きました。へー!?政界内幕暴露コメディが珍しいこと、ドレイファスのファンであることも相まって、私は第1話から大いに気に入っていたのでびっくりしました。過去に同様の作品があったのか、「二番煎じどころか十番煎じ」とまで酷評されたシーズン1。米国で生まれ育った人間ではないので、私には新鮮に映ったのかもしれませんが、酷評していたおじさん評論家たちがシーズン2以降寝返ったのは喜ばしいことです。現実を覗き見しているようなコメディ作りには、手間暇かけて生み出した自然体、自然な会話が不可欠です。笑いを狙ったジョークの連発や怒鳴り合いをつなぎ合わせたようなコメディに、うんざりしている視聴者には、心地よい「Veep」の今後が楽しみです。
レセプション会場は、マイヤーに一票を!のポスターだらけ。 ©Meg Mimura