NBC Universal Summer Press Day - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

ハリウッドなう by Meg


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NBC Universal Summer Press Day

(2014年5月14日)

もう1カ月余り前のことですが、例年のNBC Universal Summer Press Dayに参加しました。今年は、下記のパネルインタビューが実施されました。
「Sharknado 2」 (SyFy) — テレビ映画(新)
「Playing House」 (USA) — コメディー(新)
「Restaurant Kickstart」(CNBC) — リアリティー(新)
「Last Comic Standing」(NBC) — リアリティー
「Astroblast!」 (Sprout) — 子供用漫画(新)
「Botched」 (E!) — リアリティー(新)
「American’s Got Talent」 (NBC) — リアリティー
「The Night Shift」 (NBC) — 医療ドラマ(新)
「Defiance」 (SyFy) — SFドラマ
「Giuliana & Bill」 (E!) — リアリティー
「Undateable」 (NBC) — コメディー(新)
「Welcome to Sweden」 (NBC) — コメディー(新)
Universally Funny: Comedy Stars of Universal Television

5月27日放送開始のNBC「The Night Shift」は、サン・アントニオ・メモリアル病院ERの深夜勤医師、看護士、研修生を描きます。特に新鮮な切り口がある訳でもなく、この俳優が出ているから観ないと損する!と思わせるでもなく....夏の穴埋め番組として、最近めっきり少なくなった医療ドラマでも編成しておこう!と言う印象は否めません。

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前列中央オーエン・マッケン、(右端)ジル・フリント。後列左からJR・レモン、ジーンアン・グーセン、ブレンダン・フェア。フリントは「グッドワイフ」の怪しい(?)FBI捜査官ラナ・デラニーとして活躍した女優だ。 (c) Meg Mimura

2012年夏のプレスデーで発表した「Saving Hope」(CTV制作)を継続して欲しかった!と遺憾に思います。カナダではシーズン3まで制作が進んでいる同作ですが、例によって例の如く米国では、生と死の世界を彷徨う外科部長と昏睡状態から蘇らせようとあの手この手を編み出す婚約者/外科医の涙と感動の人間ドラマは受けないと言うことです。新たに代わり映えのしない「The Night Shift」を制作するくらいなら、「Saving Hope」を復帰させて欲しい!と思うのは、私だけでしょうか?

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12年、「Saving Hope」番宣に駆けつけたエリカ・デュランス。昏睡状態の婚約者チャーリー・ハリス外科部長(マイケル・シャンクス)を救おうと必死になる外科医アレックス・リードを好演。12年夏、11話で放送を打ち切られたが、続きが観たい涙と感動のドラマだ。 (c) Meg Mimura

今回はリアリティー番組が5本も登場しましたが、特記するほどの作品はありません。CNBCの「Restaurant Kickstart」は、最近米国がやっと「食べる」ことに目覚めた証拠で、毎週’美味しい’アイデアを投資家に提示し、2日間に7500ドルで簡易レストランを立ち上げ、試食してもらい、投資の是非を決めてもらう競争形式のリアリティー番組です。投資家の一人ティム・ラブにインタビューをする羽目になりました。「やっとアメリカ人が食文化に興味を示すようになって嬉しい」と番組を褒めたつもりだったのですが、何が気に入らなかったのか、揚げ足を取られるだけで、結局インタビューにはなりませんでした。しかも、ラブがベタ褒めの屋台ハンバーガーをパーティーの席で試してみましたが、「えー、これが美味しいの?!」が一口食べた感想。テキサス州でレストラン4軒を経営するオーナーシェフですが、やはりアメリカ人の‘味覚’はどうも信用できません。

USA局は、「ホワイトカラー」や「スーツ」など面白いキャラを巡るドラマを世に送り出すことで有名ですが、この日女性コメディアン・コンビが創作したコメディー「Playing House」 のパネルインタビューがありました。既にDVDで2話まで観て楽しみにしていましたが、舞台で繰り広げられるレノン・パーラムとジェシカ・セント・クレアの漫才には、お腹がよじれました。私生活でも親友と言うだけあって、二人の息はぴったり!USA局が探していた女性の、女性のための、女性によるコメディーの誕生です。都会に出て出世街道をまっしぐらに走っていたエマ(セント・クレア)が、出産間近の親友マギー(パーラム)のため帰郷。マギーが夫を追い出したため、二人で出産や子育てをする羽目になるという設定です。

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パーラム(左)は、「フェリシティの青春」ファン。セント・クレアは、「ギルモア・ガールズ」から、台詞がすらすら出て来るほどのファンだが、共同創作のベースは「SATC」だと明かした。 (c) Meg Mimura

Universally Funny: Comedy Stars of Universal Televisionには、NBCユニバーサル系列が制作するコメディー5本のキャストを招いてのパネルインタビューです。
「The Mindy Project」ミンディー・ケイリング
「Brooklyn Nine-Nine」アンディー・サンバーグ
「About a Boy」デビッド・ウォルトン
「Growing Up Fisher」ジェナ・エルフマン
「Parks and Recreation」アダム・スコット

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左から、サンバーグ、エルフマン、スコット。エルフマンは、数年前「Accidentally on Purpose」で、上記「Playing House」のパーラムと共演したことがある。 (c) Meg Mimura

2014年お薦め春の新番組としてご紹介した「Growing Up Fisher」(「久々の癒し系2作品!14年冬のTCAプレスツアー」2014年2月20日)で、母親ジョイス役を演じるジェナ・エルフマンが番組を代表して参加。日本でも「ダーマとグレッグ」でお馴染みのエルフマンは、パネル参加者の中でコメディー歴が最も長く、ドラマと違って「パイロットは絵の最初の一筆みたいなもの。全体像がぼんやり見えて来るのは六筆目(6話)辺りかな?」と、キャストの性格が見えてきて、しっくり来るまでに時間がかかるコメディーの体質を指摘しました。かつて木曜日のコメディー枠で高視聴率を誇っていたNBCも、最近は青息吐息で、特に次世代の「フレンズ」や「となりのサインフェルド」を目指す余り、初っぱなから視聴率がとれないとすぐに打ち切るようになりました。エルフマンの発言は遠回しに「地上波局は辛抱が足りない!」と批判しているかのようでした。「Growing Up Fisher」は継続されるでしょうか?


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