2012年夏のTCAプレスツアー参加ーその4 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

ハリウッドなう by Meg


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2012年夏のTCAプレスツアー参加ーその4

(2012年9月13日)

7月24日の夕方、ホテルのプールサイドで開催されたNBCのパーティー。「Chicago Fire」のキャストは不参加で、インタビューのお目当ても特になく、にぎり寿司とオードブルを試食後、そろそろ帰途につこうかと考えていたところ....仲間に呼び止められ「サラ・ペイリン見た?」と尋ねられました。思わず、「いやだ、恐〜い!」が私の口を衝いて出ました。メディアの犠牲になって知事職まで追われた!と被害妄想を抱いている、全米ライフル協会会員ペイリンに近寄るなど、自殺行為!先ず、すたこら逃げ出すことしか頭に浮かばずの反応でした。

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熱狂的ファンもいるが、過激な極右派、全米ライフル協会会員など、拒絶反応を引き起こす材料が尽きないペイリン。
Paul Froggatt / PR Photos


2008年に、共和党副大統領候補として、世間を「お騒がせ」した張本人です。夫トッドがNBCのリアリティー番組に出演しており、数時間前に「Stars Earn Stripes」のパネルインタビューで見たばかりでした。流石アメリカ人!パーティーだから、夫人同伴です。異例ではありませんが、夫人が「お騒がせ」ペイリンであることが、一大事なのです。

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2008年、副大統領候補に指名されたのも、ペイリン曰く「神の思し召し」。副大統領の「器」ではないことを棚に上げて....身の程知らずとは、ペイリンのこと?
PRN / PR Photos


政治に微塵も興味のないこの私が、ジョン・ハルパリンとマーク・ハイレマンの著書「Game Change」の第20章「Saracuda」を読んでいる最中の遭遇でした。「Saracuda」とはSaraにbarracudaを足した造成語で、バラクーダは「容赦ない略奪者」と言う意味です。今春、HBOで放送されたテレビ映画「ゲーム・チェンジ」は、リアリティー番組の人気投票並みになった米国大統領選の舞台裏を暴露し、資格も資質も持ち合わせていない見かけ倒しのペイリンを副大統領候補に祭り上げたマケイン大統領候補取り巻きの策略と、「操られてたまるか!」と恐〜い極右の道に突っ走って本性を現したペイリンの「怒濤の60日」を描いた、衝撃の作品でした。

【動画】「ゲーム・チェンジ」予告編


オバマ大統領をテロリスト呼ばわりし、無知を指摘したメディアを攻撃、事ある毎に聖書/宗教/神を持ち出すなど、世界の指導者の器量を備えていないことを恥と思わないペイリンです。この手の「勘違い」人間は、思い込んだら命がけなので、近づかないに限ります!向こうから近寄ってきたら、とにかく逃げの一手しかない!をモットーにしている私です。

既に会場の外で、TCAの前会長がペイリンの怒りに触れた評論家を目撃したと言います。インタビューの最中に評論家のプレスバッジをひっつかみ、「New York Post?冗談じゃない。あんたなんかのインタビューはお断り!」と中座、足早に立ち去ったそうです。くわばら、くわばら!それに、「ゲーム・チェンジ」の感想以外、聞きたいこともないし....と考えていると、辺りが騒然としました。丁度、私の3メートル背後で、フラッシュがたかれ、NBCのお偉方や「Stars Earn Stripes」の軍事コンサルタントなどが、嬉々としてペイリン夫妻と記念撮影に応じているではありませんか?ぎょっ!顔の3分の1は隠れてしまう程どでかいサングラス、茶色の安っぽいワンピースに、ハリウッド大通りに夜な夜な出没する「お商売嬢」のユニホーム的10センチ以上のプラットホーム・サンダル姿のペイリンが、意気揚々と脚光を浴びています。でも、一度もサングラスを外さなかったのは、整形を繰り返しているからだとか....?

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2日後、現TCA副会長の記事には、ペイリン夫妻の写真が掲載された。大統領になれなかったペイリンに「僕はTCA会長に当選しました」と言いたかったと括られた記事にびっくり仰天!


呼び物だった筈の、マシュー・ペリーも、猿のクリスタルも、完全に色褪せ、会場はペイリン一色に染まりました。私が帰途に着いた午後7時過ぎでも、人だかりは一向に減らず、ペイリン夫妻は退場する気配もありません。以前、ジョージ・W・ブッシュ政権の「影の大統領」カール・ローヴがFox系のニュース番組の政治解説者としてパネルインタビューに姿を現し、会場を震え上がらせたことがありますが、今回は予期せぬ元副大統領候補の出現に、政治家慣れしていない我々評論家は、交通事故を遠巻きにする野次馬のような気持ちで立ち竦むのみでした。

注目を浴びる場所ならどこにでも姿を現すと言う事なのでしょうか?政治家としての資格も器量も備えた人間ではないことを、世界的に暴露してしまった以上、「汚名」でも「悪名」でも、名前が売れているうちに稼げるだけ稼いでおこうという結論に達したのでしょう。本を書いたり、講演したり、一家総出でリアリティー番組に出演したり....と、すっかり「セレブ」気取りのペイリンです。

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母親の応援に登場した前列、左から2人目がブリストル。弟を抱いて、妊娠を隠していた。
PRN / PR Photos


「勘違い」は、母親だけではありません。長女ブリストルは、ABCの「Dancing with the Stars: All-Stars」と題した敗者復活戦に登板が決まり、7人の出場者に混じって、後日パネルインタビューに登場。登板の理由を「神様の思し召しだから....それに、どうせ何やっても、メディアに追い回されるしね」と述べたブリストルは、母親と同じく利用できるものは何でも利用しようという不貞腐れた態度です。17歳で妊娠、未婚の母になったことが、ペイリンの指名直後に叩かれたことを、未だに根に持っている口振りです。「Dancing with the Stars」シーズン11で、いつまでたっても上達しないにも関わらず、ペイリンのサポーター達が共謀して投票しまくった結果、3位まで勝ち抜いたと報道されたのも、気に食わないのでしょう。選挙後、アラスカに戻って高校を卒業して進学するとか、就職して「普通の人」になれば、メディアに追い回されなかった筈なのに、次々とテレビに出演するから、叩かれるのだとは思いませんか?という評論家の質問に、「アラスカに引っ込んだって、どうせ追っかけて来るんですもの。だったら、楽しいことしないと損じゃん?子供にもお金かかるし....」と答えるブリストルでした。親が親なら、子も子!とはよく言ったものですね。ちなみに、先日同番組に出たコメディアンが、勝ち抜き戦ですが、1回目に負けても、最終戦まで残ってもギャラは一律20万ドルだとばらしていました。いくら叩かれても、出てくる訳です!

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上の写真のブリストルと見比べていただきたい。同一人物とは思えないほどの整形だ。メディアに追いかけられたくない人は、深く静かに潜航すべき。
Carla Van Wagoner / PR Photos

但し、「お騒がせ」はパーティーで終わった訳ではありません。我が家に戻り、メールをチェックしたところ、TCA会長から叱責のメールが入っていました。もうパーティーは終了した時刻でしたが、会場でペイリンの写真撮影あるいはストリーミングをした会員は「評論家の風上にも置けない」と言う、お叱りでした。TCA会則は、パネルインタビューでの写真撮影は禁じていますが、パーティーやセット訪問などのイベントでは、臨機応変だったのですが....デジタル時代、携帯で写真が撮れるようになってから、監視が厳しくなりました。このお叱りのメールは、パーティーの様子をストリーミングで流していた何者かがいて、NBCが会長に怒鳴り込んできた結果です。ストリーミングで観られるようになったら、大枚を叩いてプレスツアーを実施する意味がないと言う理由ですが、パーティーにはNBCが招待した非TCA会員も多々いて、ストリーミングの発信者を調べもせず、一方的に会長を責めたため、我々会員が鬱憤のとばっちりを受けたという図式です。

夏のプレスツアーが始まって、4日目のお家騒動!この日から、毎日のように会員の間で議論が交わされ、ペイリンの最初の犠牲者New York Postの評論家が、理路整然とTCA会長に反論してくれました。7月28日に開催されたTCA年会で、ストリーミングしていたのは、非会員であったことが判明し、会長が鬱憤晴らしメールを発信したことを謝罪した上で、写真撮影に関する会則を再考する委員会が設けられました。紙媒体が主体で、写真撮影が必要な時には、社のカメラマンを登録し、評論家は取材に専念すれば良かった時代の会則です。デジタル時代には、一人で何役もこなさなければならず、写真撮影は仕事の一部になっています。会則は古代の遺物だと言う若い会員、それでもタレントと一緒に「ハイ、ポーズ」は単なるミーハー族に成り下がるとプロ意識に固執する人、写真がなければ、ブログの価値が下がると怒るブロガー達など、皆夫々写真撮影に確固たる意見を持っています。TCA会員になったばっかりに、写真撮影ができないのは不公平だと、私は思います。委員会が、200人余りの意見や要望を検討し、一人で何役も務めなければ仕事にならないデジタル時代に見合った会則にして欲しいと思いますが....どうなることやら?スターやテレビ業界人にどう接したら良いかは心得ていても、「セレブ」気取りの元州知事ペイリン如きに、ひっかき回され、喧々囂々のTCA年会になってしまったというお話です。


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コメント

初めてコメントさせて頂きます。
外からで窺い知れないプレスツアーの模様と裏話、へーー!!!!と驚きつつ読ませていただきました。
まさに最前線にいらっしゃる方ならではの目線と解説、大変興味深く、かつ面白かったです。
有難うございます。
これからも、楽しみにしています。

投稿者:usagy |2012年9月29日 00:33

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