ブランド嗜好のおしゃれな殺し屋とスパイになりたい冴えないMI5保安局員の一騎打ち。スパイスリラー「Killing Eve」はサイコパス対心理分析プロの心理戦を美しい映像とブラックユーモアで描く。 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

ハリウッドなう by Meg


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ブランド嗜好のおしゃれな殺し屋とスパイになりたい冴えないMI5保安局員の一騎打ち。スパイスリラー「Killing Eve」はサイコパス対心理分析プロの心理戦を美しい映像とブラックユーモアで描く。

(2018年4月19日)

今春、私がお薦めする新ドラマのうち、一番暗~~いのがBBC America制作の「Killing Eve」です。通常、タイトルに'kill'の言葉が含まれているものは、パイロットさえすっ飛ばすことにしていますが、1月12日BBC Americaのパネルインタビューで、正反対の二人の女の摩訶不思議なイタチごっことして紹介されて、おおいに期待を寄せていました。


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番宣ポスター(c) BBC AMERICA/Sid Gentle Films Ltd.


米国では、4月8日にデビューしましたが、4月5日にシーズン2更新が既に発表されており、局の肩入れ度が伺えます。シーズン1は全8話ですが、プレミア前に7話の視聴が許され、更新の発表に大いに納得した次第です。スパイスリラーは、映画も含めて掃いて捨てるほどありますが、アクションで繋ぐ世界を股に掛けたイタチごっこではなく、テレビシリーズにしか実現できない知能/心理戦が綴られる点がユニークです。最近珍しい「早く続きが観たい!」とわくわくするスリラーに仕上がっています。もっとも、惨殺シーンは例によって例の如くすっ飛ばし、日中に観ました。暗くなってから観ると、夜中に魘されそうです。


原作はルーク・ジェニングスのノベラ(中編小説)シリーズ4本の中から「Code of Villanelle」を土台にして、フィービー・ウォラー=ブリッジが書き下ろし、テレビ化しました。


イヴ(サンドラ・オー)は、英国軍情報部第5課(MI5)保安局で要人警護にあたるアラフォー局員。地味な仕事と平穏無事な結婚生活に満足していると主張するものの、イヴの夢は秘密諜報員になることです。退屈で死にそうになっていたある日、ウィーンでロシア人政治家の暗殺を目撃した女性がロンドンの保安局に護送されて来て、イヴの刺激的なキャリアが始まります。得意の犯罪心理分析と直感で、殺し屋は女と推理したイヴは、目撃者を尋問しようと病院を訪ねますが、トイレで意外な出会いが...


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(左)同僚ビル(デビッド・ヘイグ)は、女スパイなどあり得ないと言い張るが、イヴ(サンドラ・オー)の直感に一目置いて、ドイツに出張。(c) BBC AMERICA/Sid Gentle Films Ltd.


イヴの挑戦を受けて立つのは、過去2年10ヶ国で次々と要人を惨殺した’くノ一’ヴィラネル(ジョディ・カマー)です。乙女チックな外見とは裏腹に、人間が息を引き取る瞬間を満喫する殺しのプロ。ブランド志向のグルメで、パリのアパートで贅沢三昧の生活をしています。


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くノ一ヴィラネル(ジョディ・カマー)。当然のことながら、ピンクのドレスは仕事着ではない。(c) BBC AMERICA/Sid Gentle Films Ltd.

イヴは、ファッションセンス0、がさつで粗野そのもの。善良な夫ニコ(オーウエン・マックドネル)とは正反対で、心の闇や陰謀など「暗さ」に興味津々です。犯罪心理分析官イヴの目に映る殺し屋ヴィラネルは、冷酷、無慈悲、尊大、良心/恐怖心/罪悪感の欠如等、まるで教科書から飛び出したような完璧なサイコパスです。一生に一度あるかないかの好機を逃してなるものか!と、イヴは周囲の反対を押し切って、ヴィラネルに接近して行きます。追う側も追われる側も、正反対の世界に住んでいる故に、強く惹かれあいますが、職業柄友達になる訳にも行かず(?)、イタチごっこに没頭して行きます。


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(左から)イヴ(オー)、コンピュータの天才ケニー(ショーン・デラニー)、アシスタントのエレナ(カービー・ハウエル=バプティスト)、ビル(ヘイグ)。MI6の事務所で、捜査を検討する。(c) BBC AMERICA/Sid Gentle Films Ltd.


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