現在進行中の新作「Billions」と「The Circus」が面白い! - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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現在進行中の新作「Billions」と「The Circus」が面白い!

(2016年3月 7日)

春の新番組とは言え、プレスツアー開催中、あるいは終了直後から始まった作品の中で、毎週楽しみにしているのは、Showtimeのドラマ「Billions」と新しいタイプのドキュメンタリー「The Circus」です。

「Billions」は、映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のテレビ化?と思うほど、類似していますが、このドラマでは、ヘッジファンドで富を築いた叩き上げボビー・アクセルロッド(デイミアン・ルイス)対、NY検事局の敗訴ゼロを誇るチャック・ローズ検事(ポール・ジアマッティ)の一騎打ちを描きます。金融業界対法曹界の飽くなき闘いは、他人事として達観できる上、専門用語が分からなくても、未知の世界を垣間見るのが大好きな視聴者の好奇心をくすぐります。「マッドメン」など足元にも及ばない、卑劣で尊大なキャラのオンパレードですし、女性キャラは刺身のつま扱いですが、何しろ金持ち(成金ではありますが)の世界が舞台なので、何もかもがキラキラ輝いていて、画像が美しいのも特徴です。

「財力で何を買収できるか?どこまで奔放な生き方ができるか?」対「権力で阿漕な輩をどこまで引きずり下ろせるか?」が、目前で繰り広げられ、どちらに肩入れすることなく楽しめるのがユニークな点でしょう。但し、チャレンジが大好きなボビーとチャックの対決を、何シーズン続けられるか?と言う疑問は湧いてきます。

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ルイス(左)が演じるボビーは、ドン・ドレイパーなど目じゃないほど卑劣で傲慢なキャラだが、家族は大切にする21世紀の男。ジアマッティ(右)が演じるチャックは、公的には天下無敵の検事だが、私生活ではBDSMを楽しんでガス抜きする。 WENN.com

最近、ドキュメンタリーのヒットを打ち続けるShowtimeの「The Circus」も、早く続きが観たいと思う作品です。副題はInside the greatest political show on earthとなっており、世界最大級の国政見世物とされています。現在進行中の2016年米国大統領候補予備選を、アイオワ、ニューハンプシャー、サウス・カロライナ、ネバダ州、スーパー・チュースデーなどの要所要所で、「ゲーム・チェンジ」の原作者マーク・ハルパリン、ジョン・ハイレマンと政治アドバイザー(元43代大統領ブッシュのチーフ・メディア・アドバイザー)マーク・マッキノンの3人がレポートします。共和党と民主党の党大会までの長くて短い道のりを、各候補者、選挙事務所員、家族、政治記者、サポーター等、いわゆる舞台裏を取材する異色ドキュメンタリーです。

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「The Circus」のパネルインタビューで配られた、候補者の選挙運動バッジ。最上列左共和党の象徴「ゾウ」以下、3列11人の候補者のバッジに対し、民主党の象徴「ロバ」の下には、クリントン、サンダース(大小)、オマリーの3候補しかいない。 (c) Meg Mimura

昨年は、オバマ大統領のように応援したくなる人格者が土壇場になって登場し、米国を救ってくれるだろうと、結構楽観的に構えていた私です。ところが2016年後半に入って、トランプ旋風が吹き始め、年末の里帰り時に、「ドナルド・トランプが、次期大統領になるのでしょうか?」の質問攻めに会いました。あの時点では、ヒラリーがトランプにお金を払って共和党候補指名争いに参加してもらい、トランプとの対決に持ち込めば、「トランプよりはマシ!」思う人の票が集まることを見越してのヒラリーの策略に違いないと私は信じていました。女性に大統領になってもらいたいとは思いますが、ヒラリーは適任者ではありません。クリントン夫婦に多大な不信感を抱いている私は、今回の選挙には全く興味がなく、故に2008年と同様、「ヒラリーが当選したら、日本に帰る!」と笑っていたのですが....

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パネルインタビューの時点で、候補争いに残るのは、共和党はクルーズ上院議員、トランプ、民主党はクリントンとサンダース上院議員と予想された。 (c) Meg Mimura

「The Circus」のパネルインタビューで配られた共和党と民主党から候補に選ばれたいと予備選に出馬している候補者の選挙運動バッジを見て、ほとんどの名前を知らなかったので、評論家仲間から予想を聞いてみました。そして、1月17日に始まった本作を毎週観て、勉強しています。それにしても、3月1日のスーパー・チュースデーで、トランプとヒラリーが上位に躍り出て、益々私が書いたシナリオ通りに事が運んでいます。いよいよ、日本に帰国する(永久に)計画を練らなければならないような気配です。土壇場で颯爽とヒーローが登場しない限り、地味ではありますが、一番まともで、米国の将来を案じているバーニー・サンダース上院議員に肩入れするしかないと言う結論に達しました。

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サンダース(74歳)は、米国の未来に夢も希望も見出せない若者から支持されている。自称社会主義者サンダースの誠実さと政治家の妻然としていないジェーン夫人は信頼できる。 WENN.com

継続番組ではありますが、ABC「American Crime」も続きが楽しみな作品です。昨年エミー賞限定シリーズにノミネートされた「American Crime」のシーズン2です。ABCから送られてきた4話は、シーズン1とは舞台も内容もすっかり様変わりしています。「アメリカン・ホラー・ストーリー」でライアン・マーフィーが復活させたシステムで、レパートリー劇場のように、演目毎に俳優が異なるキャラを演じます。

昨年5月14日の「2015年5月のエミー賞根回しイベント」で触れましたが、「American Crime」シーズン1は人種差別から発生した殺人事件を巡り、薬物常用者への偏見、階級、教育などに取り組んだ重厚なドラマでした。シーズン2は、インディアナポリスを舞台に、私立高校のバスケ・チームのパーティーで起きた暴行事件後の被害者、加害者と家族を描きます。背景に見え隠れするのは、私立対公立高校、階級/教養/貧富の差、陰湿化するいじめなどですが、被害者を少年にすることによって、ホモフォビアがドラマの核心になっています。また、終盤では被害者が加害者に変わる過程を、コロンバインの乱射事件を体験した教師や、カミングアウトした若者達の苦い体験談を交えながら、ドキュメンタリー仕立てに変え、赤裸々に描くのも面白い点です。現代の若者が直面する数限りない障壁は、見応えがあります。と同時に、現代の親が抱えているとてつもなく大きな問題が提示され、気が重くなるのも確かです。

シーズン1では、二人の息子を女手一つで育てたバツイチの母親を演じたフェリシティ・ハフマンですが、誰も信用しない心を閉ざした理由が描かれていたので、共感できるキャラだったと絶賛しています。しかし、ハフマンが今シーズン演じる、雇われ校長レスリーは、教育者ではなく、体裁のみを繕って成功してきた冷血なビジネスウーマンです。生徒は飽くまで資金を集めるための頭数でしかなく、人間としての温かさを全く感じさせません。レスリーの生い立ちや背景は、本筋には無関係ですし、そこまで描いている余裕がないとは思いますが、奥深いキャラではないので、全く共感できないのでしょう。

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雇われ校長レスリーを演じるハフマン。「シーズン1の印象を完全に消したかった」と髪の色まで変えて熱演中。 WENN.com

又、シーズン1の活躍を認められて限定シリーズの助演女優でエミー賞を手に入れた、名優レジーナ・キングも、ハフマンと同様の変身振りを披露しています。今シーズンは、インディアナポリスの名士で、財力と権力を濫用して、事件の容疑者の筆頭にあがったバスケ部のキャプテンである息子を守ろうとします。結末や如何に?

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エミー賞受賞女優キングは、地位と財力に物を言わせて、息子を守ろうと必死になるテリー役。 WENN.com


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