手に汗握る『Changeling』と『その男ヴァン・ダム』 - UsagyのアメリカンTV気まぐれウォッチング | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

UsagyのアメリカンTV気まぐれウォッチング


前の記事:
Mythbusters『怪しい伝説』マクガイバースペシャル放送
次の記事:
2010年VANOCに豪華客船警備本部が出現?

手に汗握る『Changeling』と『その男ヴァン・ダム』

(2008年11月17日)

今回は、新作映画情報を2つお届けします。
どちらも最初から最後まで肩から力を抜くことができず、見終わった後も、体中が緊張して動くのが難儀なほどの映画でしたが、見ごたえがありました。
その前に観た映画が『SEX DRIVE』(ジェームズ・マーズデン目当て)で、力が抜けまくったので、その落差には眩暈がするぐらい(笑)。

JamesMarsden01.jpg
ジェームズ・マーズデン Tina Gill / PR Photos

まずは、クリント・イーストウッド監督の『Changeling』(アンジェリーナ・ジョリー主演)。

AngelinaJolie02.jpg
アンジェリーナ・ジョリー Sylvain Gaboury / PR Photos

実話に基づいたストーリーで、舞台は1920年代のLA。
クリスティーナ(アンジェリーナ・ジョリー)と息子ウォルターは、母子二人で平和に暮らしていましたが、ある日突然ウォルターが姿を消します。
5ヶ月の捜索の結果、LAPDが発見した『息子』は、なんと別人でした。
しかし警察側は、クリスティーナの主張を退けて、再捜査を拒みます。
彼女は、帰ってきた息子が『息子ではない』という証拠をそろえて正面から警察に訴えようとするのですが、捜査ミスを認めたくない警察は信じがたい手段に出ます。
事件はそこから思いがけない展開になっていくわけですが、その余りの急転直下のジェットコースターぶりに、映画館中が緊張しまくって、それこそ水を打ったように静かになってました。
当時のアメリカ社会の歪み、働く女性の地位、権力というものの在り方…色々な点を考えさせられる内容でした。

唯一息が抜けたのは、一瞬だけバンクーバーが映るシーンで、周囲から『プスっ!』(”とりあえず雪山を映しとけばカナダさん”という映像だったので)と笑いが洩れたときだけでした。

主演のアンジェリーナの熱演もさることながら、脇を固めるジョン・マルコヴィッチやコルム・フィオール(来年から『24』第7シーズンのレギュラーになります)もシブかった。
特に素晴らしかったのは、LAPDの警察官を、とっても憎たらしく演じて、観客から総ブーイングを喰らっていたジェフリー・ドノヴァン。

JeffreyDonovan01.jpg
ジェフリー・ドノヴァン David Gabber / PR Photos

TVシリーズ『Touching Evil』(イギリスのドラマ『捜査官クリーガン』(ロブソン・グリーン主演)の米版リメイク)や『BURN NOTICE~消されたスパイ』などでブレイクしておなじみの顔ですね。
彼は、『プリテンダー~仮面の逃亡者』で、ジャロッドの弟を演じていて、ほんの数エピソードでしたが、とても印象に残っています。
ここまで悪役が似合うとは(笑)、やっぱりいい俳優さんだなー!と思います。

それにしてもクリント・イーストウッドは、相変らず重い映画を撮るんですねえ…。
友人たちから「救いがない」などと散々聞かされている「ミリオンダラー・ベイビー」、オスカー受賞作だというのに、実は恐れをなして未だに未見であります。


もう一つの映画、『その男ヴァン・ダム』は、実話であって実話でない?なかなか凝った作りでした。

原題が『JCVD』というだけあって、まさにジャン=クロード・ヴァン・ダム本人が、『ジャン・クロード・ヴァン・ダム(JCVD)を演じる』、というどこまでがホントでどこからがウソなのか???だし、セルフ・パロディのキツさに至っては、もう悟りを開いたのかと思うぐらい。

JeanClaudeVanDamme.jpg
ジャン=クロード・ヴァン・ダム Pixplanete / PR Photos

離婚して、娘の養育権を失い、失意のうちに生まれ故郷のベルギーに戻ったヴァン・ダムを待ち受けていたのは、人生最悪の数時間。
果たして彼の人生はどこに落ちていくのか?!

ほとんどフランス語なので、英語の字幕が出ていたのですが、画面のヴァン・ダムを見るのと、字幕を読むのとで、ものすごく忙しくて、目の玉が飛び出しそうでした……
皮肉とウィットに富んだセリフ廻しはさすがヨーロッパ、って感じです。

エージェント『あのプロジェクトは、スティーブン・セガールに決まったよ』
ヴァン・ダム『なんで?!』
エージェント『奴がポニーテールを切ることに同意したから』

なんとも本当っぽい感じじゃないですか?

タクシー・ドライバーと交わす会話、エージェントとの会話、そして、後半のクライマックスで登場する長丁場の独白シーン、どれもこれも、ハリウッドのアクション・スターの本音が垣間見えて、昔からのファンとしてはかなり切なかったですが、それを乾いた笑いでかわした感じのヴァン・ダムの表情に救われました。
アクション俳優とは違う、全く別のヴァン・ダムの顔が見られます。
やっぱりカッコイイな!!

『Changeling』はまだ日本公開日が未定のようですが、さすが日本で人気のヴァン・ダム映画、日本での公開は12月だそうです!→公式サイト
どちらも、お薦め二重丸映画です。



前の記事:
Mythbusters『怪しい伝説』マクガイバースペシャル放送
次の記事:
2010年VANOCに豪華客船警備本部が出現?

コメント

疲れてるときに見るのはツライ映画ですしねぇ…でも、きっと日本公開がありますよね。
是非、公開の折には見てください!
今回も確かにオスカーいけそうな感じです。
一部ではアンジェリーナの演技が淡々としすぎ…という批評もあるようですが、私はもらい泣きしちゃいましたヨ。

投稿者:usagy |2008年11月18日 11:20

あぁ、残念です。

アンジェリーナの映画、見ようと思っていたんですけど、
毎日毎日疲れちゃってダメでした。

すごい評判いいよね。
今度のアカデミー賞もいけるんじゃ?って現地の人が言ってた。
楽しみです。

投稿者:夏生 |2008年11月18日 00:02

最近の記事

▲ TOP