アナ・ウィンターが唯一、足を止める写真家 ビル・カニンガムって? - 竹村由紀子 Hollywood Style to Tokyo Eyes | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

竹村由紀子 Hollywood Style to Tokyo Eyes


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アナ・ウィンターが唯一、足を止める写真家 ビル・カニンガムって?

(2013年7月24日)

前回、年始にブログを更新した際に、後編を「早めに書きますね」なんて言っておきながら、すでに7月…まもなく8月…(汗)

有言実行できなくて本当にごめんなさいね…

テレビ番組の編集に追われて追われて、追い立てられて、季節が冬から春、夏へと季節が一瞬で過ぎ去っていきました。(下の写真を見ると私の奮闘ぶりが伝わるかと…)

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編集中は時間がなくてカップ麺ばかり…美容の大敵ですね!Copyright:ACCS

番組制作は、大まかに言うと次のようなプロセスで行われます。
①企画を立てる
②取材対象にアポイントをとる
③構成を決める
④撮影をする
⑤映像をチェックする
⑥映像を構成どおり粗くつなぐ
⑦番組内に必要なナレーションやフォトショップによる素材などをつくる
⑧素材と映像をつなぎ、尺(時間)におさめる
⑨テロップを入れる
⑩効果音を入れる
⑪明るさ・色調などの調整
⑫音の調整

それにかかる時間たるや膨大で、地上波の番組が分業制になっているのも納得です。

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深夜になるとオバケが怖いから早く帰りたくなります…Copyright:ACCS

テレビは普通、一人で作るものじゃないんですよー

しかし、私がセルフプロデュースしている「竹村由紀子のア・ン・テ・ナ」は15分間のエンタテイメント番組ながら、制作しているのは私一人。

出演しているため、撮影はカメラマンさんにお願いしていますが、カメラマンさんに「こんな映像を撮ってほしい」とか「この角度で全体の映像が欲しい」とか「こういうときの手元や顔のアップがほしい」とか「こういうのをインサート映像として使いたい」とか、現場で事細かに指示していかなくてはいけないのです。

⑨のテロップにしても15分番組で200枚から400枚入れているので、一日中、編集画面と睨めっこ。気づいたら、真夜中のオフィスに一人きり…なんてことも、よくあります。

テロップは想像以上に時間がかかる作業なので、いつも発狂しそうになりながら頑張っています(笑)

さぁ、詳細に言い訳をしたところで本題に入りましょうか。今日も引き続き、ファッションにまつわる作品を取り上げます。


■あのアナ・ウィンターが唯一、足を止めるカメラマンとは?

前回はアメリカ版「ヴォーグ」編集長アナ・ウィンターに密着したドキュメンタリー映画「ファッションが教えてくれること」について書きましたが、今回は、そんなアナが敬愛してやまないファッション・フォトグラファーのビル・カニンガムについてのお話です。

少し前になりますが、ドキュメンタリー映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」を見てきました。

ビルは、ニューヨークでストリートスナップを50年間休むことなく撮り続け、ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッションコラム“ON THE STREET"と社交コラム“EVENING HOURS"を担当する名物フォトグラファー。

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ビル・カニンガムとデザイナーのベッツィ・ジョンソン Wild1 / PR Photos

この映画は、ビルの仕事一筋の日常を淡々と追いながら、彼の潔癖なまでにファッションに傾ける妥協のない情熱、愛情を描き出しています。

ファッションという非常に華やかな世界に生きながら、自身は着飾ることなく、青い作業服に破れたビニールのレインコート姿で、ただ純粋に時代と街に溢れる人々の装いを写真として切り取っていくビル。

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ビル・カニンガム (c) The New York Times and First Thought Films.

彼は「まず第一にコレクションを撮る。次に、街の女性の自腹のファッションを撮る。最後はパーティに出席する。このすべてを見なければ、レポートできない。重要なのは感想じゃない。見たものを伝えることだ」と信条を語ります。

誰よりもファッションの歴史を熟知し、コレクションをつぶさに観察する一方で、「セレブがお金をもらって着ている服になんか興味はないんだ。女性たちが自腹を切って、街で着ている服のほうがよっぽど重要だ」と、その眼はかなりシビア。

あのアナ・ウィンターが目の前にいる時でさえ、着ている服が気に入らなければシャッターはきりません。そんなカメラマンは世界中できっとビルだけでは!?

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アナ・ウィンター Janet Mayer / PR Photos

パーティーに出かけても水さえ口にせず、「金をもらわなければ口出しされない。すべてに通ずる鍵さ」と語る…そんな高潔なまでのファッションへの情熱は、アナに「We all get dressed for Bill.(私たちはみんなビルのために服を着るのよ)」と言わしめるほどです。

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アナ・ウィンター (c) The New York Times and First Thought Films.

こうして書いていくと、気取った堅物をイメージする方もいるかもしれませんが、ビルはいつもニコニコと気さくな老紳士で、嫌な感じは全然しません。

ただただ純粋に妥協なくファッションの変遷を見つめている…孤独な仕事です。しかし、ビルは仕事だとさえ思っていないと言います。「私のしていることは仕事ではなく喜び」だと、「仕事とは恋愛できないが、心から楽しい」と…なかなか誰もができることではありません。

自分の好きなことをやり通すのは、時として難しく、逆風が吹き荒れ、孤独です。この映画で、ビルの生き方を見ると、孤独に立ち向かう勇気がもらえるのではないでしょうか。

本当におすすめの映画です。まだ上映している映画館もあるようなので、是非、ご覧になってみてください。
映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」公式サイト


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