『フュード/確執 ベティvsジョーンズ』は、伝説の女優バトルを『glee/グリー』のライアン・マーフィーが美的に刺激的に描く! - 村上淳子の海外ドラマ裏ネタ宝島 | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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『フュード/確執 ベティvsジョーンズ』は、伝説の女優バトルを『glee/グリー』のライアン・マーフィーが美的に刺激的に描く!

(2017年9月21日)

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ハリウッドの伝説の女優対決をふたりのオスカー女優が再現。ベティ・ディビス役スーザン・サランドン(左)とジョーン・クロフォード役ジェシカ・ラング

『glee/グリー』や『アメリカン・ホラー・ストーリー』など人気ドラマを手掛けた辣腕プロデューサーのライアン・マーフィーの最新作『フュード/確執 ベティvsジョーンズ』(以下、『フュード』)をひと足お先に観せていただきました。本作は受賞は逃しましたが、今年のエミー賞で作品賞、主演女優賞をはじめ14部門18ノミネートという高評価でした。

『フュード』はミステリーホラーの傑作映画「何がジェーンに起ったか?」(1962)の撮影の舞台裏で繰り広げられた往年の大女優ベティ・デイヴィス×ジョーン・クロフォードのバトルを実話をベースに描くのですが、ふたりに扮するのが、なんとスーザン・サランドン×ジェシカ・ラング。2大オスカー女優というなんとも贅沢な配役なのです。

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クールなイカす女優ベティ、私生活では夫や娘との関係に悩まされる

1960年代、台頭するテレビの勢いに押されて映画界は低迷。そのなかで、全盛期を過ぎたと見なされた大物女優の起死回生をかけた壮絶な仕事ぶりにフォーカスします。

実はこのふたり、1940年代からハリウッドでは有名なライバルだったそう。当時、映画会社ワーナーで不動の女王として君臨していたベティに比べ、映画会社MGMと契約していたジョーンズは低迷。にもかかわらず無理な要求をしたため契約を切られます。そこでワーナーに移籍するのですが、ワーナー側は気難しい金食い女優ベティに制裁を加えるべくジョーンズを迎え入れたのです。

いい脚本の作品にジョーンズを主演させることでベティをやきもきさせ懐柔したというわけで、ふたりの間には長く深い確執がありました。

でも、お互い50代になり仕事が激減したジョーンズは、自ら「何がジェーンに起ったか?」の企画を持ち込み、ベティと競演することに。しかし、制作発表会見から出演料を巡って争い、いざ撮影が始まるとどちらが主役か、どちらのアップが多いかで大揉め。お互いに監督やスタッフを取り込もうと画策。若いブロンドのチョイ役女優を降ろすときだけは結託するので、監督も頭を抱える日々…。しかも、ワーナー側はあえてふたりの対立をあおり、宣伝に繋げようと目論みます。

今も語り継がれる女優バトルに加え、当時のハリウッドの裏側をリアルに見せてくれる面白さがたっぷりです。

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年齢を重ねてもゴージャスなジョーンズだけど、精神状態は不安定

この映画の撮影時は、ベティは54歳、ジョーンズは57歳。現在では、まだまだ活躍の余地がある年齢。ところが、「ふたりの婆さん」と呼ばれ、「ヒロインを20代に設定できないか」と無茶ぶりされ、「男優は年をとるとできる役が広がるのに、女優は役がなくなる」という台詞が切ない切ない…。

演じるスーザンは現在70歳。ジェシカは67歳と知ってビックリ!エイジレスな現役ぶりでキャラにぴったりハマっているのです。仕事でもプライベートでも次々に待ち受けるトラブルの大波。ときに凛々しく、ときに弱気になりながら乗り越える大女優ふたりに心を揺さぶられます。

ちなみに日本語吹き替え版では、ベティ役スーザンの吹替を秋吉久美子、ジョーン役ジェシカの吹替を夏木マリが担当。大人のいい女対決を吹き替え初共演で披露します。

また、さすがライアン・マーフィーの作品らしく映像が素晴らしくスタイリッシュ。クールビューティーのベティ、ゴージャスなジョーンズ、対照的なふたりのファッションや自宅のインテリアやバスルームの小物までセンスが光り、うっとりしっぱなし!ベティの濃いピンクのパジャマ、ジョーンズの楽屋用のガウン、そんなところまで選び抜かれているのです。

ライアン・マーフィーの世界を堪能でき、ハリウッドの裏の歴史を知ることができるのが面白さのツボですね。


『フュード/確執 ベティvsジョーン』

【日本語吹替版】BS10 スターチャンネルにて10/4(水)より毎週水曜よる11:30~ほか独占初放送。
<※ 10/4(水)は第1話無料放送>
【字幕版】9/29(金)より毎週金曜よる11:00~ほか独占日本初放送。
<※ 9/23(祝・土)は第1話先行無料放送>

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