えー、あり得ない!で終わった「マッドメン」 - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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えー、あり得ない!で終わった「マッドメン」

(2015年5月21日)

※この記事には「MAD MEN マッドメン」と「スキャンダル」シーズン4最終話のネタバレがあります


「どんな終わり方をしても、視聴者全員に喜ばれることはない。怒らせようとか、がっかりさせようとか、そんな意図はない。唯、単にこれまで観たことも聞いたこともないドラマにしたいだけ!」とは、去る1月の「MAD MEN マッドメン」最後のパネルインタビューでのマシュー・ワイナーの言葉でした。

この言葉を真に受けて、5月17日(日曜日)午後10時から画面に釘付けになりましたが、ほとんどハッピーエンドと言っても過言ではない安直な結末に、がっかりしました。「えー?!それはないよ。そんなのあり得な~い!」と、期待し過ぎたことを大いに反省した私です。

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ジョン・ハム(左)は、マシュー・ワイナーが頭に描いていた「イメージそのもの」とシリーズ開始時に語った。又、ある業界誌でも「ジョンの翳りが正にドン・ドレイパー!」とまで絶賛。 WENN.com

生意気で卑怯な男として叩かれ続けたピート(ヴィンセント・カーシーザー)が、仕事より家庭を選んだのが唯一の救いと言えますが、ペギー(エリザベス・モス)、ジョーン(クリスティーナ・ヘンドリックス)、果ては何の役にも立たない飲んだくれロジャー(ジョン・スラッテリー)までもが、一応欲していたものを手に入れました。貧乏くじを引いたのは、元ドレイパー夫人ベティー(ジャニュアリー・ジョーンズ)とサリー、ボビー、ジーンの3人の子供達です。

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ドンが目の敵にしていたのは、ピート(カーシーザー)の育ちの良さへの嫉妬と思われるが、ドンの秘密を武器に仕返ししなかったのは、ピートの品格を物語っている。紆余曲折を経て、人間として成長した故のハッピーエンドには、大いに納得が行く。 WENN.com

主人公ドン・ドレイパー(ジョン・ハム)は、シーズン7後半が始まってすぐ、会議の最中に席を立ったまま放浪の旅に出て、大陸横断を果たし、カリフォルニアでヒッピー達と隠遁生活をした挙句、都合良く(?)悟りを開きます。放浪の旅に出て、どれ程の時間が経過したのか、何を学習したのかは不明です。反省しない’劣等感の塊’人間が、短期間に悟りを開くことなどあり得ませんが、残り時間3分ほどの時点で、太平洋を背後に座禅を組むドンの姿が映し出されます。暗転して....世界中の若者が丘の上に集まって、「愛するハーモニー」を歌うコカコーラのCF(1970年)が流れ、「完」となりました。つまり、悟りを開き、丸くなったドンがNYの大手広告代理店に戻って、あのCFを作ったことを暗示しています。

あれだけ多くの人を傷つけた卑劣人間/女の敵/飲んだくれ/変化を飽くまで拒否していた中年男が、又もや再出発の機会を与えられたのです。因果応報なんて、何のその!4月30日に公開した『「ナースジャッキー」も完了』でジャッキーとドンの違いを分析しましたが、シリーズの結末としては似たり寄ったりです。ジャンキーに、又もやり直しのチャンスが到来し、ジャッキーは人助けに、ドンは広告作りに復帰して「完」となるからです。

翌18日、CBSの夏の新番組を紹介するCBS Summer Press Dayに参加しましたが、早朝から「マッドメン」のフィナーレの話で持ちきりでした。「期待外れ」「ドン・ドレイパーに宛てた恋文だから、当然の終わり方」「安直すぎる」など、評論家からは賞賛の声は上がりませんでした。4月15日の『夢落ち?死に落ち?「マッドメン」完結間近』で私が提案した復讐エンディングを披露したところ、ドンの生き様に相応しいエンディングだと大いに絶賛を博しました。

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ジェームス・ウォルクは、2013~14年「マッドメン」12話に、不可解なボブ・ベンソン役で出演した。夏のプレミアを控えて、CBS Summer Press Dayに参加したウォルクにフィナーレの感想を求めたところ、「最高!感激した!」とコメント。 WENN.com

5月14日にシーズン4を終了した「スキャンダル」も、結局オリヴィア(ケリー・ワシントン)と大統領(トニー・ゴールドウィン)がよりを戻し、真剣に観ていた私はすっかり興醒めしました。その3日後に、納得できないドン・ドレイパーの結末を目の当たりにしました。アンチヒーローの度重なる復活劇は、もう沢山!です。

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オリヴィア(ワシントン・左)とグラント大統領(ゴールドウィン)は、「スキャンダル」シーズン4の最終話で、漸くよりを戻す。ここに至るまでに、何人の人間が殺され、傷付き、職を奪われ、追放されたか?を考えると、実に虚しい。しかも、シーズン4は、残虐度が跳ね上がり、目も当てられないシーンが激増した。 WENN.com


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