ミニシリーズ「The Slap」は面白い? - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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ミニシリーズ「The Slap」は面白い?

(2015年2月23日)

NBCが1月のプレスツアーで発表した春の新ドラマは「Allegiance」(米国に住むロシア人スパイ物語)「Odyssey」(国際的な陰謀に巻き込まれて行く兵士、企業弁護士、政治活動家のアクションドラマ)の2本ですが、いずれも今更?という印象を受けました。唯一、私の興味をそそったのが、2月12日から放送されている「The Slap」です。

「The Slap」は、オーストラリアで制作された同名のテレビ・シリーズとクリストス・チョルカスの小説「スラップ」(2008年)を元に、劇作家ジョン・ロビン・ベイツが書き下ろした8話で綴るミニシリーズです。まだ2話しか観ていないので、絶賛はできませんが、語り口やスタイルが維持されれば、ユニークなドラマになりそうです。今の所、評論は「昨今珍しい考えさせるドラマ」派と、「ナレーションも、キャラも何もかも鬱陶しい」派の真っ二つに分かれています。

【動画】「The Slap」トレーラー

NY市公務員ヘクター(ピーター・サースガード)の40歳の誕生日パーティー。妻アイーシャ(タンディ・ニュートン)が友達夫婦や仕事仲間20人余りを招いてパーティーを開きますが、ヘクターの両親(ギリシャ人)は何かにつけて茶々を入れてきます。従兄弟ヘンリー(ザカリー・クイント)が、裏庭でバットを振り回している危険極まりないヒューゴ(5歳)に手を上げて、パーティーは解散となります。ヘンリーの怒りが巻き起こした渦に、取り巻きが引き込まれて行き、友達の輪に思わぬ亀裂が入ります。第2話は、’戦士’として育てられたヘンリーが、繊細で気弱な長男に勝ち組になるコツを教える姿や、父子の相性を描きます。人種や世代による結婚、夫婦、子育てに対する考え方や価値観の違いを考察する、大人の鑑賞に堪えるドラマです。

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ヘクター(サースガード・左)は、昇進できずに腐っており、心ここに在らずでパーティーに参加。アイーシャ(ニュートン)は、ヘクターの両親と折り合いが悪く、日々の生活に追われて、夫が17歳の子守コニーに惹かれていることさえ気づかない。 WENN.com

ヒューゴの親ゲーリー(トーマス・サドスキー)とロージー(メリッサ・ジョージ)は、自由を謳歌するヒッピーで、独りっ子は甘やかし放題、躾など野蛮人のすることと信じてやみません。裁判沙汰にならないように、アヌーク(ユマ・サーマン)に薦められ、ヘクターと共に謝罪にやって来たヘンリーですが、ロージーの罵倒に耐え切れずに大爆発して、事態は益々悪化してしまいます。

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(左から)ヘンリー(クイント)は、血の気の多いギリシャ系アメリカ人。ゲーリー(サドスキー)と妻ロージー(ジョージ)は、最近ブロンクスに越してくる芸術家グループを代表。アヌーク(サーマン)は、若いツバメと遊んでいるテレビ番組プロデューサーで、アイーシャの友達。 WENN.com

原作もオーストラリアのテレビシリーズも全く別物として考えれば、「ブロンクスという町を舞台にしているからこそ面白い」と、サースガードが1月16日にパネルインタビューの席で指摘しました。ニューヨークのブロンクス区は、全米一の人種のるつぼなので、異なった価値観を持った人達が隣り合って生活しているからです。

他人の子に手を上げることは以ての外ですが、「70年代には、親がお尻を叩いてお仕置きをするなんて、日常茶飯事だったわ。時代が変われば、子育ても変わると言うことね」とコメントしたのはサーマンでした。一方、オーストラリア版でも同じ役を演じたジョージは、「NBCからお声がかかって、キャストの顔ぶれにウキウキしたわ。でも、同じ役を繰り返し演じていると言う感覚ではありません」と述べました。


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