原爆作りに携わった人達のドラマ - ハリウッドなう by Meg | TVグルーヴ オフィシャル・ブログ アーカイブ(更新終了)

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原爆作りに携わった人達のドラマ

(2014年8月 5日)

7月9日のハイライトは、WGN局のオリジナル作品第二弾「Manhattan」です。数ヶ月前から、このドラマについて情報は入っていましたが、局からパイロットも資料も送って来なかったので、いきなりパネルインタビューに参加する羽目になりました。内容が内容だけに、前以て視聴したかったのですが....

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WGNから送られてきたパネルインタビューのお知らせ。プレスツアー開催中、この不気味な番宣広告をハリウッドの街中そこここで見かけた。

今春、テレビアカデミーの映画鑑賞クラブで、宮崎駿の「風立ちぬ」を観ました。一途に生きた堀越二郎の半生が美しくも哀しくも描かれていて、私は涙、涙で席を立ちました。多分、今年観た映画の中で、最も印象に残る作品になるだろうと思っていた矢先、「零戦の設計をしたエンジニアの物語を、テレビアカデミーが映写するなど以ての外!」と怒っている会員がいると知人から聞きました。

「Manhattan」について上記のお知らせが舞い込んだ時には、日本が零戦製作の映画を放つなら、アメリカは原爆製造のドラマで対抗するぞ!と挑戦状を突きつけられたような不安を覚えました。日本人の被害妄想でしょうか?単なる偶然だとは思いますが、映画「パールハーバー」公開時の記憶が蘇ってきて、何とも嫌な気持ちになりました。

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左からオリビア・ウィリアムズ(ライザ・ウィンター役)、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー(フランク・ウィンター役)、ダニエル・スターン(グレン・バビット役)、アシュリー・ザッカーマン(チャーリー・アイザックス役)、レイチェル・ブロスナン(アビー・アイザックス役)。 (c) WGN America

世界唯一の被爆国である日本で生まれ育った人間として、言いたいこと、尋ねたいことは山ほどありましたが、私的な質問は禁じられているため、パネルインタビュー中はどのような質問が出るか達観していました。日本の「に」の字も飛び出さず、マンハッタン計画=被爆の連想が、この国にはないのだと悟りました。

クリエイターのサム・ショウは、原爆投下が冷戦を引き起こし、21世紀に至ったことを指摘、世界を大きく塗り替えた原爆製造を、ロスアラモスで働いていた人達やツンボ桟敷に置かれていた家族の観点から描くと述べました。また、ロバート・オッペンハイマー以外は、架空のキャラでシリーズを創作したこと、シーズン1は13話仕立てになっていることを明らかにしました。2時間で完了しなければならない映画と違って、キャラの公私を時間をかけて描く予定だそうですが、シーズン1が歴史上のどの辺りまで進むのかは不明です。シーズン2の継続が決まったら(?)、目処がつくのかもしれません。

ヒトラーの原爆に追い付け追い越せ!と急かされつつも、戦没者をこれ以上出すまいと愛国心に燃える原子物理学者ウィンターを演じるのは、最近テレビでの活躍が目覚ましいジョン・ベンジャミン・ヒッキーです。舞台俳優にふさわしい選択かと...メキシコの砂漠で、6割がた野外撮影した体験について、「照明やスペースに縛られることなく、自由自在に動ける解放感を十二分に満喫した」と語りました。

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ヒッキー(左)とスターン。ヒッキーは「The Big C」のヒッピー役や「グッドワイフ」のチャムハム社CEO役のような奇人変人の方がぴったり? (c) WGN America

パネル後、ショウに何故、今マンハッタン計画なのか?を尋ねましたが、グアンタナモ湾収容キャンプのことを書きたかったが、「現在進行形」はドラマにし難いので、近代社会の諸悪の根源であるマンハッタン計画に切り替えたと説明。ロスアラモスで生活する物理学者達の公私を描くドラマですが、原爆投下後の倫理上の葛藤は当然本作の目玉だとショウは確約します。とは言え、原爆の傷跡を未だに感じる日本人には、お薦めしにくい作品です。最も、第二次世界大戦ではアメリカが敵国だったと知らない若者は、客観的に視聴できるかも知れませんね?

7月27日のプレミアを視聴しましたが、ロスアラモスに移り住むことになった若夫婦チャーリーとアビー・アイザックスが水先案内人です。外からも内からも守らなければならない秘密の砦ロスアラモスは、日系人収容所と見紛うばかり....皮肉なものです。


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