■「The Office」のDVDを通販で買おうとしたときのこと。

「The Office」は最後の特番で壮大なフィナーレを迎えるのですが、その特番のＤＶＤが注文して待てども待てども到着しません。

手元に在庫がなくどこかから取り寄せてるという旨の連絡がありました。

他のショップに注文しても同じような状況でした。

結局、正確なところは忘れましたが、ものすごい時間が経ってやっとＤＶＤを手にすることができました。

ちなみに「The Office」DVDは2006年のリリースです。

■1年半ほど前にリリースされた海外ドラマの公式サイトにアクセスしました。

しかし、そのサイトはすでにありませんでした。

残っているキャッシュを見ると、芸能人を起用したイベント、さまざまなメディアとのタイアップ、識者による推薦コラムや詳細な番組解説、ブログパーツなど、とても賑やかなプロモーションが行われていたようです。

でもそのサイトはもうありません。ほんの1年ほど前のプロモーションです。

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海外ドラマに限りませんが、何かを好きになる、夢中になるきっかけというのは人それぞれで、タイミングもまた人それぞれだと思います。

ある人にとっては、宣伝広告がきっかけになり、またある人にとっては人から勧められたとか、自分自身が成長して、今まで面白いと思わなかった作品が好きになったとか、本当にシチュエーションはさまざまだと思います。

たとえば、僕は映画「タイタニック」を今さら見ようとは思いません。

でも先日テレビで放送があった後、mixiでは「タイタニック」がキーワードのランキングで1位になっていました。おそらくリアルタイムで見なかった人たちがはじめて見て驚いたり感動したりした人が少なからずいたのだと思います。

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エンタメ作品の供給者側としては、リリースの時に派手なプロモを展開してヒットを狙いに行くのはもちろんビジネス上、大事なお仕事だと思います。

ただ、それに加えて、今ではなく、1年後、5年後、10年後に初めて、その作品のすばらしさに気づいた人のために、スムーズに情報やモノを提供してあげられる配慮というのが求められていくと思います。

少し前であればそれをするコストは膨大でした。

でも今では、宣伝広告は紙・電波の媒体に代わってサイバースペースが使えますから、コストはあまりかかりません。

商品の流通に関しても、何も全国のショップに流通させなくとも、最低限、自前の倉庫にあればamazonなどのショップに注文が入った時に対応してやるということで十分ですし、さらにパッケージや作品をデジタルデータとして持っておいて、随時それを小ロットでプレスしたり、デジタルデータのまま配信すれば、ほとんどコストはかからないはずです。

たしかに、権利関係で一つハードルが残るかもしれませんが、時代は確実に「オンディマンド」の方向に動いています。

供給者側が買ってほしいタイミングではなく、消費者が買いたいと思った時にきちんと情報や商品を供給できるということがこれからますます求められていくと思います。

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「どれだけ売り上げが上がったか」「どれだけのメディアで取り上げられたか」

というような指標に加えて

「いつか振り向いてくれる人のためにどんな施策があるべきか」

という議論がマーケティングの現場で増えていくといいなあと思います。

（要は、自分が不便な思いをしてフラストレーションを感じたということなんですけどね・・（笑））

清水 裕一